TSUBURAYA GALAXY内連載小説「ウルティメイトフォースゼロ~Side Story~」の感想を(1)に続いて語ります(前回の内容と心構えについては以下リンクから)。
monsterspace.hateblo.jp
- スペシャルステージ ウルトラマンゼロ10周年 ANNIVERSARY THE LIVE
- 第4話 ジャンボット編「エスメラルダ王家の秘密」 vol.21掲載
- 第5話 ジャンナイン編「電脳の夢」 vol.22掲載
- 第6話 「時との邂逅」 vol.23掲載
- まとめ
スペシャルステージ ウルトラマンゼロ10周年 ANNIVERSARY THE LIVE
m-78.jp
「ウルトラマンゼロ10周年ANNIVERSARY THE LIVE」にて行われたスペシャルステージ。「ウルティメイトフォースゼロ~Side Story~」の前日潭でもあるということで、ここでついでに感想を開陳します。
全体的にまさにショー向きといった趣きで、内面描写に迫るというより、ワイワイやる感じです。イベントでの関智一氏曰く、彼らは「本物」で*1、ゼロ、グレン、ミラーの声も本人なので、現地にいたら限りなく本物な波動が感じられたことだと思います。そのくせ結構勝手に動いてるところもあるので、上演が1回だけ、ライブ配信も全体を見通せるわけではないというのはやや殺生なところもあります。見られないところで絶対何かやってるよね奴ら…なポイントがありそうなんですよね。
粗筋を一通り喋ると、グレンファイヤーが落ち込むゼロを元気づけようと、ウルティメイトフォースゼロの合体技を提案するもので、その中でバタバタやってる中、ビートスターの残党(!)が現れて戦いになり、何だかんだで合体技が完成する展開になります。最初にプロローグ的に『ゼロファイト』2部再現が展開されるんですが、ゼロダークネスがウルティメイトフォースゼロを全滅させるところからやるからえぐいですね(笑)。いや(笑)じゃないが。
基本的には口数の多いグレンファイヤーが引っ張ってお話が展開します。やっぱ関智の声がつくとイキイキしだしますね、奴は。主役のはずのゼロより喋ってたんじゃないか?ミラーナイトやジャンボットもゼロ・グレンには劣りますが、自然に会話しており、キャラクターを上手く出していたと思います。これに対してジャンナインはほぼほぼ喋りませんでした。ライブラリ音声は使っているので、本物指向ということであまり喋られなかったのだと思われますが、わざわざジャンボットがナインの言葉を代弁したりもするのは違和感が大きく、何とか出来なかったかなあといったところです。ちなみにジャンボットもたぶん神谷浩史氏ではなく、ウルフェス等でジャンボットの声を演じている方の代役っぽい感じでしたが、神谷声と聞き紛うくらい声を再現できていたのは、うれしい驚きでした。
完成した合体技は「ファイナルウルティメイトフォースゼロ」!ファイナルウルティメイトゼロをウルティメイトフォースゼロの5人で放つ技です(小説の第6話によると、クリスタルがそれぞれのパーソナルカラーに輝くのが見てくれの違いらしいですが、ショーではたぶんそこまで再現はされてなかった…と思います(記憶が曖昧))。個人的にはウルティメイトフォースゼロに合体技を作るとしても、こういう形は避けて欲しかったと思ってたんですよね。ファイナルウルティメイトゼロにはダイナやコスモスもエネルギーチャージに加わることで放つファイナルウルティメイトゼロ・トリニティというバージョンもあり、これがあることで差別化が可能になった側面があると思っていたので。ファイナルウルティメイトゼロはチャージに時間がかかるのが一応のデメリットなんですけど、非ウルトラマンのウルティメイトフォースの面々だからこそ能力を生かした時間稼ぎが出来る一方、ウルトラマンだとパワーソースが同じなのでエネルギーチャージに加わることでチャージ時間が短縮できる、みたいな…。5人で撃つ、だとトリニティの二番煎じ的になっちゃわないか、ファイナルウルティメイトゼロを5人で撃つ、は誰しも思いつくけど、合体技ならもうちょい一捻りできないか…。直接関係ないですけど、『ウルトラゼロファイト』前に『テレビマガジン』でウルティメイトフォースゼロとボガールが戦う雑誌内展開の中でミラーナイトが最後ボガールの爆発を鏡で防ぐというのがあり、いつかこれ映像でもやってほしいくらい、いいアイデアだったな…。
閑話休題。そういうわけでファイナルウルティメイトゼロを5人で撃つのが合体技になるのでは的危惧があったんですが…だからこそイージスでゼロが他のメンバーを庇う→「「「「俺・私たちもゼロを支える!!!」」」」→「「「「「ファイナルウルティメイトフォースゼロ!!!!!」」」」」の流れは…痺れましたね。『ゼロファイト』2部ラストのゼロの力でウルティメイトフォースゼロが復活→ゼロは力尽きて倒れ掛かる→他の4人が総出で身体を支えるの延長ですし、『ウルトラマン列伝』最終回のグレンファイヤーの「わかってんだろゼロ、俺達皆お前を信じてるてことを!俺達もわかってんだ、お前も俺達を信じてるってな!」が台詞だけだったのをもっとダイレクトにやったという形ですよね(後者はちょっとその後の立ち直りがあっさりだったので、小説第1話も含めて今回がすごくいいフォローになってると思います)。ウルティメイトフォースゼロこそがゼロに寄り添い支えることが出来る、その結実に5人撃ちを持って来られたらもう何も言えないですな。よくぞやってくれた!
文庫本では第0話「合体技を作ろう!」として収録(まんまなタイトルだ)。池田氏のプロット→実際のショー→池田氏のノベライズという経緯だそうで、ショーに醍醐味を文章でもきっちり抑えています。ジャンナインの台詞もジャンボットの台詞を置き換える形で自然なものになっており、真っ当な5人感を出すことに成功しています。ノベライズならではですね。
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