志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

三好義継はなぜ自ら死を選んだのか―「天下人」継承者たちの戦い

 天正元年(1573)は濃尾の大名織田信長がそれまで共に室町幕府を運営してきた将軍足利義昭を追放し、織田政権を樹立した年である。また、この年には信長がそれまで戦ってきた有力大名の死が相次いだ。4月には甲斐の武田信玄が死に、8月には越前の朝倉義景、北近江の浅井長政が信長によって滅ぼされた。多くの政敵たちの死が織田政権の成立にもたらした影響は大きい。武田信玄は最強の戦国大名として名高く、朝倉義景は元亀の争乱の火蓋を切った反信長大名で、浅井長政織田信長の妹婿にも関わらず裏切った鮮烈さで著名な存在だ。しかし、畿内に織田政権が樹立するにあたって最もインパクトを残したのは三好義継の滅亡ではなかったか?なぜそう考えられるのか、三好義継が象徴する三好本宗家滅亡の事態とは何だったのか語って行く。

※1 最初はまあ長くても5000字で充分だろと思ってたら優に20000字を超える分量になりました。大したことは書いておらず、この記事を読まれる方にとってはそんなの知ってるよ!という情報ばかりでしょうが、もし読まれる方がいらっしゃいましたら、長さにめげずに、というか適当に読み飛ばしながらお読みください。

※2 「中央政権主宰者」という言葉が頻発する割に、「中央政権主宰者」が何なのか説明がありません。これは私にとっても、その地位をどのように規定すれば良いのかピンと来る言葉がないためです。3割くらいの誤解を含みますが、「中央政権主宰者」「天下人」と読み替えて下さる方がわかりやすいと思います。じゃあ最初から「天下人」で良くないか?と思われるかもしれませんが、個人的に「天下人」は手垢に塗れすぎていて結局再定義が必要なので、それっぽい「中央政権主宰者」という言葉で誤魔化してみた次第です(でもタイトルが「中央政権主宰者」じゃ締まらないのでそっちは「天下人」になってます。無茶苦茶だな!)。この記事は学術論文ではないので、お見逃しくださいませ。

※3 長くて読んでられるかよって人向けに結論だけ先に言ってしまうと(以下反転)三好義継が中央政権主宰者としての誇りを胸に死にその死に様がインパクトを残したことで、織田信長も中央政権主宰者意識に目覚めたのではないか、室町幕府に代わる織田政権が構想されたのは義継の死がきっかけではないかということです。

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徳川氏の実名に見る「秀吉」の有無

 豊臣政権下において元服した徳川家康の息子は四人いる。次男秀康、三男秀忠、四男忠吉、五男信吉である。家康の長男信康は天正7年(1579)に切腹に追い込まれ、六男忠輝が元服したのは慶長7年(1602)、家康が将軍となる前年である。さて、これら豊臣政権下で元服した四人の実名とそうではない信康、忠輝を比べて見ると、何か気が付くことはないだろうか。それはずばり「秀吉」の有無である。秀康、秀忠には「秀」、忠吉、信吉には「吉」が入っている。この四人の実名が「秀吉」を意識したものであることは間違いないだろう。

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現代社会で常盤ソウゴは「王様」になることが出来るのか?

 平成仮面ライダー20作目仮面ライダージオウの主人公・常盤ソウゴはぶっ飛んだキャラクター造型である。何とこの主人公、現代社会において「王様になりたい」という夢を持っているのだ。これは作中でも異様な性格として描かれ、第1話では高校の進路指導で「王様になりたい」ことを披露し、そのため大学受験もしない旨を保護者である大伯父・常盤順一郎からも半ば諦められている。一方でソウゴは「人々の幸せを実現できる王様になりたい」という考えも披露した。彼のキャラクターについては賛否両論であるが、とりあえずは見守っていきたいところである。
 ここでいきなり『空想科学読本』的転回に突入するのだが、ソウゴのこの「王様になりたい」という夢は果たして現代において可能なのだろうか。『ジオウ』作中でも現状は非常識の象徴として描かれているこの夢であるが、本当に非常識なのか…ってこれは流石に無理があるか。ともあれ、実際に考えてみた(わりとマジメです)。

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『ウルトラマンギンガ』ジャンナイン論・第6章「『ギンガ』のジャンナインはウルティメイトフォースゼロに所属しているのか?」

 さて、ここまでの章で『ウルトラマンギンガ』のジャンナインの活躍を見てきました。
 『ギンガ』のジャンナインには色々と謎がありますが、最大の謎、というか根源の謎このジャンナインがゼロ時空のジャンナインか、という問題です(以下、『キラーザビートスター』~『ゼロファイト』でウルトラマンゼロの仲間として活躍したジャンナインをゼロ時空のジャンナインと呼称します)。
 何を言っているんだ、本人で当然だろう、そもそも『ギンガ』でジャンナインが出たのもこれまでのゼロシリーズでジャンナインの活躍が物足りなかったのが原因としてあるのではないのか、そう思われる方もいると思います。
 そもそも、なぜこんな問題が発生したのかと言えば、あまりにも『ギンガ』のジャンナインにゼロ時空のジャンナインとの相違点が多いからです。
 以下、一点一点相違点を洗って行くことで、この謎について考察していきたいと思います。

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豊臣秀頼は豊臣秀吉の実子ではない?―論争の意義

はじめに
 豊臣秀吉は戦国時代の日本列島を統一し、江戸幕府に繋がる統一政権を作り上げた人物である。しかし、豊臣政権は秀吉の死後、豊臣政権の宿老であった徳川家康によって政権を奪われ、江戸幕府にアップグレードされた。秀吉の遺児で名目的には豊臣政権の後継者であった豊臣秀頼の存在は江戸幕府の容れるところとはならず、二度の大坂の陣を経て秀頼は家康に滅ぼされてしまう。これがとりあえず「現象」だけを述べた豊臣政権から江戸幕府への移行である。
 しかし、一方で大衆というのは「物語」を欲しがるものである。豊臣秀頼豊臣秀吉の実子ではない」という説もその一つであろう。私自身はこのような議論にあまり意味はないと考えているが、近年では歴史学者もこの論説が唱えられ、賛否両論なようである。秀頼は秀吉の実子ではないのか、その論争は一体何を意味しているのか、個人的にも興味があるので考えてみることにしよう。

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『ウルトラマンギンガ』ジャンナイン論・第2章「ジャンキラー襲来!:『ウルトラマンギンガ』第1話~第6話」

  • 第1話「星の降る町」、第2話「夏の夜の夢」

 この2話は『ウルトラマンギンガ』の言わばパイロット編に当たる回であり、ニューヒーロー・ウルトラマンギンガの登場を描いているため、ジャンキラー(ジャンナイン)の登場はありません。
 ジャンキラー(ジャンナイン)の搭乗者である一条寺友也は第2話で初登場します。戦い終えたヒカルの様子を確認することで、ヒカルがギンガであることに確信を深める場面が第2話のラストです。
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 もうこの場面ではすでにジャンキラー(ジャンナイン)の操縦アイテムであるガンパッドを所持していることが確認できますね。

ウルトラマンギンガ DXガンパッド

ウルトラマンギンガ DXガンパッド

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『ウルトラマンゼロ&ニュージェネレーションヒーローズ大全科』レビューと感想

 ウルトラマンゼロ&ニュージェネレーションヒーローズ大全科』秋田書店)は8月20日月曜日発売です!
 …のはずが、予約特典のブロマイド付きのものを予約したら、8月17日には発送され、発売日の2日前である18日には届きました。なぜなのかはよくわかっていませんが、一足先に読むことが出来ましたので、このムックには色々と思うところもあり、記事としてまとめてみることに致します。

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