志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

江戸時代

令和5年春の博物館めぐり

4月28日に1日かけて各所の博物館をめぐってきた。本来なら一館ごとに記事を書くべきなのかもしれないが、それぞれの展示はそこまで大規模なものでもなく、かと言ってTwitterあたりで感想を書くにはやや長くなりそうなので、一つの記事にまとめてしまうことに…

石井伸夫・重見髙博・長谷川賢二編著『戦国期阿波国のいくさ・信仰・都市』(戎光祥出版)の感想

四国東部の戦国史は常に畿内のそれと不可分な関係にあった。畿内で力を持った細川氏・三好氏は四国東部を勢力としていたし、織田信長も三好氏との関係を一つの軸として四国情勢に関与・介入した。一方で、畿内権力の研究が様々な角度から切り取られて進展し…

海を渡り実力評価を求めた真鍋氏

※本記事は真鍋淑郎さんの出自を特定あるいは推定するものではありません。誤解のないようにお願いいたします。 先日真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞された。実におめでとうございます。真鍋さんはすでにアメリカ国籍ということだが、出身は愛媛県四国…

池田教正―受け継がれる河内キリシタンの記憶

戦国時代は世界的には大航海時代と重なっている。ヨーロッパ世界の航海技術が著しく進歩して、ヨーロッパ世界から直接的に人物や文化が流入することが可能となった。そのヨーロッパ世界から最も遠かった国の1つが日本であった。しかし、その日本へも1540年代…

中脇聖編著『家司と呼ばれた人々』感想

近年歴史関係の本は充実していっている。背景として研究の深化があることは間違いないが、一昔前だとなかなか出ないようなテーマでの一般書が出版されている。出版不況が叫ばれて久しい中、マイナー気味なテーマでの出版が可能であることは、それだけであり…

馬部隆弘『椿井文書―日本最大級の偽文書』(中公新書)の感想

椿井文書―日本最大級の偽文書 (中公新書 (2584))作者:馬部 隆弘発売日: 2020/03/17メディア: 新書 まさか馬部隆弘先生の初の新書が椿井文書になるとは驚きだった。馬部隆弘先生と言えば、畿内戦国史の新進気鋭研究者の一人で、細川氏・畠山氏・三好氏などに…

徳川氏の実名に見る「秀吉」の有無

豊臣政権下において元服した徳川家康の息子は四人いる。次男秀康、三男秀忠、四男忠吉、五男信吉である。家康の長男信康は天正7年(1579)に切腹に追い込まれ、六男忠輝が元服したのは慶長7年(1602)、家康が将軍となる前年である。さて、これら豊臣政権下…