志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

100日後に死ぬ足利義教

 もはや一昔前のような気さえしてしまうが、「100日後に死ぬワニ」という1日更新型4コマがわりと流行った。これが秀逸だったのは「100日後に死ぬ○○」にそれなりの汎用性があることで、歴史オタ界隈でも歴史上の人物を○○に入れるのがそれなりにまた流行った(多くは一発ネタだったが)。ただ、実際問題として本当に死までの100日を追いかけられる人物は多くはない。まず病死の場合、死までの数日~数十日は病に苦しむので、日々にバラエティ感が出ない。そもそもの話として1日1日の動静の記録がわからない。
 すなわち、「100日後に死ぬ○○」が可能なのは、1日の動静が丹念に記録に残り、なおかつ突然の死を迎えた人物に限られる。足利義教はこの両条件を満たす存在であるため、試みに100日の動静を調べてみることにした。

 なお、この記事の情報はほぼほぼコピペみたいなものなので、この記事を参考に誰かが漫画化するとかSNSbotにするとかするのは自由です。ちなみにこの頃は太陰暦なので今のカレンダーとは月日が一致しないので気を付けてね。

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馬部隆弘『椿井文書―日本最大級の偽文書』(中公新書)の感想

 まさか馬部隆弘先生の初の新書が椿井文書になるとは驚きだった。馬部隆弘先生と言えば、畿内戦国史の新進気鋭研究者の一人で、細川氏・畠山氏・三好氏などについて先学を享けながら、それらの域に留まらない新事実・新解釈の提示が持ち味である。その一方で馬部先生の「顔」というのはそれだけではなく、偽文書・偽史研究においても第一人者である(もちろん両分野がリンクする研究もある)。近年先生は論文集を出されているが、前者についてまとめられたのが『戦国期細川権力の研究』、後者についてまとめられたのが『由緒・偽文書と地域社会―北河内を中心に』ということになる。しかし、如何せん論文集というのは高額で(両書ともに定価は5桁である)、個人が購入するというより研究者や図書館が仕入れるものという側面が強い。それだけに研究成果というものを一般人レベルにまで下し周知していくには、比較的安価な一般書を出すことが求められる。今回の『椿井文書』はまさしくそのためのものと評価できる。

戦国期細川権力の研究

戦国期細川権力の研究

由緒・偽文書と地域社会―北河内を中心に

由緒・偽文書と地域社会―北河内を中心に

  • 作者:馬部隆弘
  • 発売日: 2019/02/28
  • メディア: 単行本

 実際内容としては『由緒・偽文書と地域社会』の廉価版と言える。と言うのは、筋によっては論文の文章をほぼそのまま使っている箇所もある。また、『由緒・偽文書と地域社会』には入っていた牧・交野方面の論考は削られている。『由緒・偽文書と地域社会』から新しい知見があるというわけではなく(後述するが進展がないわけではない)、まさしく椿井文書に視点を絞って、論旨はそのままにお安く(新書なので定価は3桁の範疇に収まっている)出し直したというものである。
 そういうわけで大枠としては『由緒・偽文書と地域社会』とかなり重複している。よって、感想と言っても書き下ろしを読んだものとは読後感がちょっと違うのだが、とりあえず紹介していくことにしよう。
 そもそも椿井文書とは何なのか。一言で言えば江戸時代後期に椿井権之助政隆という人物が創作した文書・縁起類である。これだけならさして特徴的でも何でもなかろうが、問題は椿井政隆の創作が歴史学において史料として一定の評価を受けてきたということにある。なぜ、椿井文書がこのように信じられてきたのかを探ることが本書の主旨でもある。

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(年未詳)3月2日牧郷宛池田教正・多羅尾綱知連署状の年次比定について―「御家門様」とは誰か

 日本史を素描していくための史料として基礎となるのは、やはり当事者がその時々に遺した文書や手紙、日記ということになる。こうした史料にはリアルタイムの認識が直に反映されていると見られるからである。ところが、こうした史料の「素性」というのはすぐにわかるものとは限らない。例えば、手紙にしたところが、月日が記されていても年次が記されていないことはままある。こうした場合、通常だと内容から年次を推定するしかないわけだが、これも解釈の問題になることがあり、研究者によって年次比定が定まらず、違った歴史が素描されることもある。近年では、使われた紙質や花押の推移から年次を特定しようという努力もあるようで、ある意味隔世の感もある。しかし、それでもナマの史料に触れられる人はそこまで多くないので、やはり古典的・伝統的な方法がまずは第一と言えよう。
 前置きがやや長くなったが、要するに「文書の年次比定には未だ客観的な方法がなく、比定次第で解釈も推移する」のである。そこで今回取り上げたいのが、「池田教正・多羅尾綱知連署状」(『戦国遺文 三好氏編』一六八五)である。以下に引用する。

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(異筆)
「申下刻ニ請取申候、」

就普請之儀、
御家門様被 仰出子細候之条在之にて、一両人宛年寄并郡夫、明日自未明至八尾可越候、不可有油断候、謹言、
   三月二日        教正(花押)
               綱知(花押)
  牧郷
   惣中

 「で?」という感じだが、この文書もマイナーながら、数奇な運命(?)を辿っているのである。一体何が問題なのだろうか。
 本題に入る前に文書の概要を述べておく。「普請之儀」について、「御家門様」の命令によって、年寄や郡夫を八尾に寄越すように、牧郷に伝えたものである。「教正」は池田丹後守教正、「綱知」は多羅尾常陸介(左近大夫)綱知のことで、両名ともに三好義継の重臣であったが、天正元年(1573)に義継から離反し、以降は織田政権下の若江三人衆として河内国北部を統治した(三人衆のもう一人は野間康久)。
 説明を聞いても「で?」という感じが拭えないだろうが、この文書は何のための文書だったのだろうか。また、池田教正と多羅尾綱知が仰ぐ「御家門様」とはいったい誰なのか。それによって文書の意義も変わってくるはずである。

※ちなみに多羅尾綱知は細川氏綱重臣であったので、東寺百合文書にその時代の発給文書が大量に残存している。基本的に花押は同形なので見比べると面白い。

hyakugo.kyoto.jp

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『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』感想

 『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』のBDが発売され、先日*1入手できたのでつらつら感想などを述べていきます。


 とその前にいつものことながら考えを整理していきます。迂遠ではありますが、前提がないと何が評価できるのか、できないのかという点が伝わりませんので…。
 まず、人数の問題があります。「ニュージェネレーションヒーローズ」なる言葉が映像作品に伴う形で公式に使われたのは、『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』からであると記憶していますが、この時のメンバーはギンガ、ビクトリー、エックス、オーブの4人でした。しかして、その後もニュージェネレーションで括られるウルトラマンは増え続け、トライスクワッドまで含めると10人という大所帯になりました。まあ今回の『ウルトラギャラクシーファイト』で登場するのはルーブ兄弟までの7人ですが、かなり多いのには変わりありません。これに加えてメインではないですが、ゼロ、グリージョ、リブット、タロウの4人もいるわけでして…。『ウルトラゼロファイト』以来のファイトシリーズ(以下、ファイトシリーズは『ゼロファイト』以降を指します)では一度に動かせるウルトラ戦士はだいたい5人くらいに収まっていました。それらと比べてもやはり人数は多いですよね。1話3分の中で一人一人をどう捌いていくのか、それが出来るのか、単純に疑問なしではありませんでした。

*1:もう半月以上前だな…

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【ポケモンGO】チコリータの高さと重さについての報告と分析【150匹編】

 もはや先月ですが、ポケモンGOチコリータ150匹捕まえました!捕まえてる人は4桁行ってるそうなので、そんなのに比べると全然大したことはないのですが、一応手元にデータがあるのは強み、ではないかなと思っています(基本的にリリースをしていません)。
 さて、以前50匹捕まえた時にはデータを用いてチコリータの生態について考察、もとい思いつきを加えました。要旨を箇条書きすると下のようになります。

  • ♂♀の比率は通説の7:1に近い
  • 高さの平均は0.86メートルであったので、通説の0.9メートルより小さめ
  • 重さの平均は6.13キログラムで、通説の6.4キログラムよりは軽め。重さに関しては振れ幅が大きい
  • ♂よりも♀の方が高さも重さも大きい傾向がある

monsterspace.hateblo.jp

 なお本記事で用いる通説とはチコリータの高さを0.9メートル、6.4キログラムとするウツギ説、証明されたわけではありませんが、一般に流布しているチコリータの♂♀比率は7:1であるという両説を指すものです。

 今回50が150になったことでさらにデータを精査できると考えられます。以下の表がそのデータです。捕獲地と年月日はまあ架空のデータではない証明みたいなもんですね。なお、性別の横に☆がある個体は光る個体であることを示しています。

(何で100体の時にやらなかったのかと言えば、前回のちょっと後にコミュニティ・デイでチコリータを大量に捕獲して100体へ到達してしまっており、時期が空いてなかったことでやる気がなくそのまま流れてしまったから)

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【デジモンリアライズ】ラジエルモン雑論②~参戦編

 前回から4ヶ月も開いてしまった。ラジエルモンのポリゴンを作ってくれてありがとう!企画が元々なのだが、もう皆ラジエルモンがリアライズに新規参戦したことなどすっかり忘れてしまっていそうである。だったらとっとと思うこともあるが、他の記事との兼ね合いもあるし…。
 何が何やらと言う人のために前回の記事を貼っておこう。
monsterspace.hateblo.jp

 さて「参戦編」と銘打つからにはゲーム内性能の解説でもするのかと思いきや、正直そこまでリアライズをやり込んでいるわけでもなく、テキトーに好きなデジモンを育成して使う、くらいのプレイスタイルに落ち着いているので何がどうで使い勝手がいいのか等の話は出来ません。
 参考にうちのパートナーのラジエルモンを貼っておこう。
f:id:hitofutamushima:20200219165918p:plain
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 必殺技「ノウレッジストリーム」*1は使用すると戦闘不能になっても一度復活でき、友情必殺技の使用でも同じ効果があるので、ろくに効率的なパーティーを組んでいない私にとっては激突戦の時間稼ぎによく使っている。パーティ内で必殺技を使用→戦闘不能からの復活→友情必殺技の使用→戦闘不能からの復活→必殺技ゲージが溜まりパーティ内で必殺技を使用…のようなことを繰り返していると、高レベルの激突戦でも時間を持たせられるのである(もちろん上手くいかない時もあるが)。
 ちなみにリアライズでの進化系譜の成長期は普通にプロットモンである。ラグエルモンと全く同じであるし何ら問題ないね!(何か忘れてるよなあ?)


※基本的にストーリーもとい台詞を文字で書き出し、最後にまとめて感想をつけるスタイルで行く。かったるいね。

*1:全然関係ないが、私が普段使いしているサイトが「ジャパンナレッジ」なのでKnowledgeを「ナレッジ」ではなく「ノウレッジ」と表記するのは地味に違和感が強い

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山田康弘『足利義輝・義昭 天下諸侍、御主に候』(ミネルヴァ書房)の感想

足利義輝・義昭』に何を見出したいと思っていたのか

 いやあ出ましたね。山田康弘先生による足利義輝・義昭』もう発売から2ヶ月経っておいて「出ましたね」も何もないのですが、著者といい題材といいいつ読んでも「出たな!」という重みがある。

 何と言っても戦国期室町幕府研究における第一人者である山田康弘先生ですからね。それが足利義輝・義昭という足利将軍最末期の人物評伝を出すのですから、否が応にも渋いのが来るであろうと予想できます。そうであるならば、こちらとしてもそれなりの心構えは必要、と言ったところでしょう。

足利義稙-戦国に生きた不屈の大将軍- (中世武士選書33)

足利義稙-戦国に生きた不屈の大将軍- (中世武士選書33)

 山田康弘先生と言えば、『足利義稙-戦国に生きた不屈の大将軍- (中世武士選書33)』(戎光祥出版平成28年)が掛け値なしの名著でした。戦国初期の畿内周辺を義稙目線で描き切るという新鮮さもさることながら、疑問を立て回答を明示するスタイルを最初から最後まで続けるという筆致が、とてもストンと落ちる感覚で大変読みやすかった。この時代を熟知していることと時代に対する認識の深さがあってこその方法ですね。

ci.nii.ac.jp

 さらに「戦国期足利将軍存続の諸要因:「利益」・「力」・「価値」」(『日本史研究』672号、平成30年8月)も忘れることの出来ない論文です。タイトルだけ見ると「ふーん」ですけれども、内容的には天野忠幸先生による義輝幕府理解への反論です。天野忠幸先生と言うと、近年の三好氏研究をリードされている先生ですが、確かに三好長慶再評価の上で足利義輝への評価は辛いものがあります。ただし、天野先生も単に決めつけで義輝への評価が辛いわけではなく、基礎には史料があるわけです。これに対して山田先生は他の史料を持ち出したり、天野先生の史料からの論理構成に飛躍があることなどを指摘され、それを通じて室町幕府の存在意義を探ろうとする…のような内容になります。
 私個人としては、と言うのも烏滸がましいのですが…。研究者に議論が起きるのは歓迎すべきことです。固より畿内戦国史は研究者が多いわけではないので、どうしても分野毎の第一人者がリードする形になり、論説もその第一人者に引っ張られがちです。分野毎の交流もあるのかないのか、その分野で第一人者であっても、その他の分野の最新研究成果をスルーしてしまったり、逆にその第一人者の説をそのまま輸入してしまったりといった事例が見えます。全ての最新研究を見通すのは土台無理ではありますが、畿内研究者が多くない以上、分野を超えた衝突がないと中々本当のイノベーションにはならないと感じています。衝突があってこそ、全体像が定まり新しい「定説」としての位置が定まってくるのではないでしょうか(今のところ動きはないですが、天野先生が山田先生に再反論するのか、自説をしれっと修正するのかにも注目しています)。その上で三好長慶はやっぱり偉大だったとなれば言うことなしです。
 ただその一方で山田先生の反論も全部が全部得心できたかと言うと、反論に比重が起かれ現象の再説明には不十分であったという印象も受けます。まあ論文タイトルは「足利義輝幕府の実態」等ではないですからね。それでは実際の足利義輝(と義昭)はどうであったのか。今から思えば、上記論文はまさしく今回の著書の青写真であったわけですが、人物にフォーカスすることで何が描けるのか、大いに興味の持てる点でありました。

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