志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

徳島城博物館・特別展「阿波戦国絵巻―細川・三好・長宗我部・蜂須賀―」

 三好長慶生誕500周年であった令和4年も終わり催し物も一段落、と思ったところで大ネタが飛び込んでまいりました!徳島城博物館の特別展「阿波戦国絵巻―細川・三好・長宗我部・蜂須賀―」でございます。思えば、長慶生誕500周年の去年に色々あったのは全て大阪府下の博物館展示であり、四国サイドの動きは乏しかった。1年遅れではあるが、否、1年遅れだからこそより充実した催しがなされたことはとても喜ばしい。

www.city.tokushima.tokushima.jp

 会期は10月14日~11月26日。入館料は一般500円、学生400円、図録は1020円(郵送あり)なのでなかなかリーズナブルなお値段です。

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『ウマ娘 プリティーダービー Season3』感想(第1話~第4話)―ロストシャインから空のほほえみ方へ

 『ウマ娘』にハマったのは2021年後半なのでメディア展開との付き合いがなかったが、ネット配信のRTTTを経ていよいよアニメウマ娘3期!RTTTも決して小さくはなかったが、3期はメディアミックスとしてはより大きなものとなる。放送開始前に明かされていたメインキャラクターたち、キタサンブラックサトノダイヤモンドサトノクラウンシュヴァルグランサウンズオブアースは全員ウマ娘初報時にはいなかったウマ娘たちな上、後者3人は本作が初のメイン登場になる。新時代到来的なフレッシュさはもちろん、何よりも気になったのは明らかに何か隠していることだった。2.5周年アニバでは新ウマ娘の発表がサウンズオブアースに留まっていたのに、ゴールドシップ役の上田瞳さんのたくさんの新しいウマ娘が登場するという発言や、3期コラボ商品でキタサト以外のラインナップが全くのシークレットであったこと、放送前PVでのレースシーンでは巧妙にそのレースにいるはずのドゥラメンテが隠されているなど、具体的に言えばドゥラメンテウマ娘化するのではないか…」という期待を持たせる(でも無理なんじゃないか…)作りを見せていた。
 そもそもウマ娘といえば、競走馬の史実をベースにしつつ、キャラクター同士の関係性などで史実をなぞったり、逆に覆したりする展開が売りだ。もう100人近いウマ娘がいる中、何が起きてキタサンブラックらの物語が紡がれるのか、最初から予測はできない。こうした点も4話だったRTTTとの違いで、本放送のたびに予告が公開されるたびに、ワクワクさせる作りになっている。そういうわけなので感想記事を順次認めることにした。

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菊花賞を見に行ってきた!

 ウマ娘にハマってから、競馬を見るようになってから―生で競馬を見るのは一つの目標になっていた。そしてついにそのタイミングが来たと判断した。リニューアルされた京都競馬場にクラシック最後の冠・菊花賞。クラシック馬としてタスティエーラをすっかり気に入ってしまったこともあり、この機を逃すと彼のレースを生で次にいつ見られるのかわからないのもあった。競馬場デビューの条件は整った。
 とは言え、どうやって行けばいいのか?まずはそこからだった。重賞、しかもGⅠとなると事前にチケットが必要なはずだ。競馬場の勝手もわからないのでとりあえずスマートシートで抽選を申し込んだが―落選。仕方なく入場券に申し込んだがこちらも抽選。入場券すら抽選なのだからひょっとしたら倍率はクッソ高く、これもダメなのではないかと危惧していたが、何とかこちらは当選できた。当日券もあったみたいなので、入場券に関しては抽選はポーズだったのかもしれない。
 しかして京都競馬場は淀にあるのだが…これがまた高槻からは非常に行きにくい。京阪電車の駅直通なものの、京阪電車が通ってる枚方までは淀川を渡る必要がある。調べると、JR山崎駅からもバスが出ていたようなので、高槻→(JR)山崎(バス)→淀で行くことにした。7時34分の京都方面普通電車に乗れば十分間に合うはずだ。家から駅までのバスに適当な便がなかったものの、まあ7時10分に家を出て歩いて行けばいいだろう。
 …。
 高槻駅に着いたのは7時40分でしたー!遅れてるじゃねーか!普通電車には乗ったものの山崎駅から出る京阪バスには間に合わない!次善の長岡京からのバスは出るのが8時35分くらい!めっちゃ時間ロス!かくなる上は…。
 長岡京駅から歩いて行くことにした。まあ歩いて40分くらいだし、当日までの数日は体が絶不調(熱こそ出てないが風邪っぽかった…)だったが致し方もない。

 歩いていたら勝龍寺城を通りかかった。実は行ったことがなかったので怪我の功名と言うべきか?案内板がちゃんと「石成友通」表記になってて良かった。

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ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE-<DAY1> 感想

 ウマ娘のライブイベントには興味があったものの、基本的に首都圏の開催だと敷居を感じていた。しかし!5thイベントは首都圏以外、大阪にも来るということでこれはチャンスがあると期待が高まっていた。とは言え、実際にはどういう内容をやっているのかわかっていなかったわけで、名古屋公演を配信で1日買ってみることにした。ちょうど、チーム・カノープスがメインかつ開催場所も名古屋で大阪の前段階としてどうなるのか興味深かったからだ。まあ過去の経験からして配信というのは、生ライブよりも半分~3割くらいの体験しかできないのだが、最初なんだからそれくらいで感じをつかむのがちょうどいいのではという考えもあった。そういうわけで感想を綴っていきたい。

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山田康弘『足利将軍たちの戦国乱世』(中公新書)の感想

 近年は畿内戦国史の研究進展が著しく…と毎度言っている気がするが、実際そうなのだから仕方ない。また、日本中世史ブームというのもあり、界隈での狭い話かと思いきや、徐々に世間的な注目も集まってきているようだ。今回発売され、紹介する山田康弘『足利将軍たちの戦国乱世』が新書という形態で出来したのもこの風潮とは無縁ではあるまい。

 ところが、その一方で本書は近年の畿内戦国史の解像度の高まりともまた一線を画す。基本的な構成としては山田康弘氏の論稿「戦国期足利将軍存続の諸要因」(『日本史研究』672号、2018年)で示された枠組みや世界観をベースに『足利義稙』(戎光祥出版、2016年)・『足利義輝・義昭』(ミネルヴァ書房、2019年)で示された事象を再構成していくものとなっている。一方で、最新研究の反映という点はそれほどでもない。巻末の主要参考文献を見ると、山田氏の論稿や著書が多く並ぶ一方で、近年の幕府研究で挙げられているのは、谷口雄太『中世足利氏の血統と権威』(吉川弘文館、2019年)くらいである。他には現代政治学の著書も目立つ。
 本書は近年の研究が明らかにした事実を網羅し羅列していく内容ではないからだ。足利将軍や室町幕府が一般には「力の時代」というイメージも強い戦国時代に、なぜ滅亡しなかったか、存在意義を保っていたのかを明らかにする。しかして、その方法は現代の国際政治を支える力学を戦国期の日本列島にも適用していくというものを採る。それだけに現代に生きる読者にとって、戦国期将軍・幕府の存在意義というものは非常にわかりやすく示されていると言える。
 もっともこれだけでは政治理論に傾いてしまうので、内容としては味気ないものとなってしまう。そこで本書では、実際の史料の一節を引用して、戦国時代当時の認識や足利将軍の肉声や人脈を折に触れて象徴的に提示する。このおかげで、足利義尚・義稙・義澄・義晴・義輝・義昭らの人格が具体的に想起される。理論的な将軍・幕府の存在意義の展開という枠組みと、生身の将軍の人格への肉付けを上手に両立していてとても読みやすく、一般層にも勧められる内容を持っている。

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ウルトラヒーローズEXPOサマーフェスティバル2023の感想

 令和5年(2023)8月18日に池袋サンシャインシティで開催されたウルトラヒーローズEXPO2023サマーフェスティバルに行ってきました。今回は往路に新幹線を選んだところ、15日に台風で東海道は運休の上、16日・17日も何やかんや運休だったり遅れがあったり果たして行けるのか冷や冷やしましたが、何とか18日は無事だったのでほっとしました。私とウルトラヒーローの邂逅はやはり天の導き…

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 昨年は入れ替え制になってることを失念していて微妙に苦労した(?)んですが、今回は午前中は別の予定を入れてたのでセーフ。開演前から行列を作ってると、子供の声に混じって中国語が聞こえてきたのが、(たまたまかもしれませんが)以前との違いを感じました。初めてウルフェスに行った時は一定数の女性層に驚いたものでしたが、これからは日本のイベントでも中国人も一定数いるのがデフォルトになる、のかなあ?

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【ネタバレ有】『ウルトラマンレグロス』感想(付ファーストミッション)

※この記事中には作品の内容に関するネタバレを大いに含みます。初視聴の驚きや感動を体感したい方にはおススメしません。

 ウルトラギャラクシーファイトシリーズで新ウルトラマンとして登場したウルトラマングロス。とはいえレグロスは満を持して登場したわけではなく、いきなり囚われの身として現れ、解放されると誰も知らないキャラクターたちの回想とアブソリュートディアボロとの因縁を匂わせながらレオ兄弟と共闘するといういきなり「皆知ってるよな!?」というデビューを果たした。その時は「え?設定面だけで済みそうな回想に着ぐるみの実態が伴ってる?贅沢!」と「いや誰なんだ君ら…」という思いが同居していた。そして今度こそ、満を持して(?)『ウルトラマングロス』の配信となった。『運命の衝突』で仄めかされた過去がいよいよ見せられるのである。
 そういう『ウルトラマングロス』はやや特殊な位置付けの作品だ。ギャラクシーファイトシリーズでレグロスが初登場したことを思うと、これはギャラファイのスピンオフ作品とも言えるし、逆に『レグロス』の主役であるレグロスがギャラファイに出ることで他の主役と共演・共闘しているとも捉えられる。ただ、こういう新作に際して色々な仕掛けを施せるようになってきたことは、作品の可能性を広げるし、面白いとは思っている。相変わらず、『運命の衝突』からは1年開いてしまっているし、ギャラファイシリーズの次回作がさらに先になってしまいそうなのは懸念材料ではあるが…。

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