志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

菊花賞を見に行ってきた!

 ウマ娘にハマってから、競馬を見るようになってから―生で競馬を見るのは一つの目標になっていた。そしてついにそのタイミングが来たと判断した。リニューアルされた京都競馬場にクラシック最後の冠・菊花賞。クラシック馬としてタスティエーラをすっかり気に入ってしまったこともあり、この機を逃すと彼のレースを生で次にいつ見られるのかわからないのもあった。競馬場デビューの条件は整った。
 とは言え、どうやって行けばいいのか?まずはそこからだった。重賞、しかもGⅠとなると事前にチケットが必要なはずだ。競馬場の勝手もわからないのでとりあえずスマートシートで抽選を申し込んだが―落選。仕方なく入場券に申し込んだがこちらも抽選。入場券すら抽選なのだからひょっとしたら倍率はクッソ高く、これもダメなのではないかと危惧していたが、何とかこちらは当選できた。当日券もあったみたいなので、入場券に関しては抽選はポーズだったのかもしれない。
 しかして京都競馬場は淀にあるのだが…これがまた高槻からは非常に行きにくい。京阪電車の駅直通なものの、京阪電車が通ってる枚方までは淀川を渡る必要がある。調べると、JR山崎駅からもバスが出ていたようなので、高槻→(JR)山崎(バス)→淀で行くことにした。7時34分の京都方面普通電車に乗れば十分間に合うはずだ。家から駅までのバスに適当な便がなかったものの、まあ7時10分に家を出て歩いて行けばいいだろう。
 …。
 高槻駅に着いたのは7時40分でしたー!遅れてるじゃねーか!普通電車には乗ったものの山崎駅から出る京阪バスには間に合わない!次善の長岡京からのバスは出るのが8時35分くらい!めっちゃ時間ロス!かくなる上は…。
 長岡京駅から歩いて行くことにした。まあ歩いて40分くらいだし、当日までの数日は体が絶不調(熱こそ出てないが風邪っぽかった…)だったが致し方もない。

 歩いていたら勝龍寺城を通りかかった。実は行ったことがなかったので怪我の功名と言うべきか?案内板がちゃんと「石成友通」表記になってて良かった。

 そして何とか8時半頃に京都競馬場に到着!すでに列はできていたが、思ったほどではなく、開門して中に入ると人はまばら。ヨシ!まだ多くないぞ。競馬場に着いて早速することは…
 腹ごしらえでした。事前の助言で昼は激込みでまともに食べられないという話だったので。

 まずは「Le Bouquet」のカレーパン(320円)。手持ちは柔らかすぎず固すぎず、それでいて中はドロッとしている上に牛肉の塊が美味い!揚げてるカレーパンなのにさっくりとしていていくらでも食べられそうだった。

 続いて「熟成麺屋 神来」のチャーシューメン(1050円)。器の周りに薄いチャーシューを彩るスタイル。普通のチャーシューメンはチャーシューがラーメンのおかずのようについているイメージだが、このチャーシューメンはチャーシューをメインに食べていたら麺とスープも進んでいくという、一つのラーメンだけどもミニチャーシューメン×10くらいに食べられるのが心地よかった。
 結果的にここでラーメンを選んでおいたのは正解だった。ここ数年胃袋が小さくなったと自負していて、家系ラーメンなどを食べると腹持ちが数日くらい続いてしまうのだが、朝にラーメンを食べたことでレース最後まで空腹感を覚えることなく過ごすことができた。昼時はどの飲食も行列で人が溢れていたし、後述するように14時以降はレース場で身動きが取れなくなってしまったからだ。
 ご飯を済ませると競馬場をうろうろしていたが、真新しい建物に朝から秋晴れ、人もまだ多くないのが快い。

  • 1R 2歳未勝利

 パドックに馬が出てきたので見に行くと、落ち着いていたりやや興奮していたり、見ても走りそうかなど何もわからないが、動物を見ているだけで興がある。それにしても皆さん、綺麗なパドックに何ら感情を見せないまま落とし物をしていくのが面白い。出走15分前くらいになるとジョッキーが出て来てレース場への移動になるが…生で見るとジョッキーちっさ!私も小柄な方だがジョッキーは競走馬との対比もあるのだろうか、ホビットみたいに見えた。外国人ジョッキーでも優に小さくて驚いてしまった。
 買ったのはゴルシ産駒を見込んで7番クロノフィガロ複勝。とりあえず3着に入ってくれたのでほっとした。馬券的には100円→110円なので全然美味しくはなかったが…。
 生で見る初レースは…正直よくわからなかった。ゲートは遥か向こうにあって正確な位置はわからないし、デカい電光掲示板で遮られて向こう側は見えない。流石に目の前を競走馬が走り去ると「ド」「ゴ」の塊のような音がするが、目の前で見ることとレースの全体を掴めることは全く別だった。生観戦の醍醐味…と言うと、競走馬を肌で感じ取れることではなくて、最終局面、ゴールの瞬間の前後数秒に空をつんざくような鋭いナニモノカの声(歓声にも悲鳴にも怒号にも応援にも聞こえる)が聞こえてくることであった。一瞬に様々な人間の感情が去来する。やっぱりレースは馬のものではなく人間の業なのだった。

  • 2R 2歳未勝利
  • 3R 2歳未勝利
  • 4R メイクデビュー京都(2歳新馬

 レースが終わる→パドックに馬を見に行く→馬の移動とともにレース場に行って観戦するをローテ的にこなした午前。レースによってゴール板前で見たり、ステーション側で見たりパドックとの通路近くで馬が出てくるのも見たり、色々試していた。3Rでは5・8・10のワイドをボックス買いしてみて、8-10で当たったもののガチガチ決着だったので、300円が290円に。普通に損してるじゃないか…。

 レース場にも慣れてきたし、朝から歩き疲れていたので、午前が終わったところで休憩。…しようにも外も中も席取りが酷く、本当に誰かがここに座るのかわからんほど、椅子という椅子に新聞や雑誌が置いてある…。これはレース場もそうで、馬や騎手を撮るために朝から皆さん最前列に陣取っていたが、ヘッドショットみたいなデカいカメラや機材が置きっぱなしになっているのもあり、ここまで来るともはや豪胆だろう。禁止されているはずなのに、座り込んだり、遠足気分かブルーシートを広げている人もいた。もちろん定期的に職員の方が注意には回ってはいたが…ここらへんはあんまり治安が良くないところかもしれない。とりあえず、階段に座って水分補給をしたり、賀茂の競馬(くらべうま)の展示やキタサンブラックのヒーロー列伝や等身大像を見たりして過ごした。

  • 5R メイクデビュー京都(2歳新馬
  • 6R 3歳以上1勝クラス
  • 7R 3歳以上2勝クラス
  • 8R なでしこ賞(2歳1勝クラス)

 疲れたままだったので5Rをレース場で見た後はパドックに座ったまま過ごした。とは言え、この頃になると人が増えだしていたのでパドックの階段に座っているともはや馬も見えない。パドックにいても電光掲示板でレースは見られるだろう…と思ったが、別にやってくれないのね…。6Rはサトノスカイターフ、7Rはタマモタップダンスの複勝を買ってみたが、はい、名前だけで買いました。サトノスカイターフは2着だったので惜しかった。8Rはウマ娘血統4頭をワイドボックス買い。ここで思ったより儲けた。

  • 9R 壬生特別(3歳以上2勝クラス)
  • 10R 三年坂ステークス(3歳以上3勝クラス)

 一休みもできたところだし、そろそろレース場に行かないと前の方で見られなくなるのでは…と思ったので、トイレを済ませてレース場へ。ゴール板前だけ行列のようになりかかっていたし、前列はもう完全に占拠状態だったが、どうにかゴール板を左に望む4列目くらいを確保できた。が、もう10分もすると後ろが埋まりだし、ほぼ身動きが取れなくなってしまった。いや身動きは取れるのだが、今ここを離れてしまったら二度とここへは戻って来られないというか。パドック映像を見ると、パドックも人でごった返していて身動きの取れなさは同様に見えた。

↑結局ずっと赤丸のあたりにいました

 どうでもいいですが、壬生や三年坂、桂川とちゃんと京都の地名を使ったレース名になっているのはうれしいぞ。

  • 11R 菊花賞(GⅠ)(3歳オープン)
  • 12R 桂川ステークス(3歳以上3勝クラス)

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 そしていよいよ菊花賞。テレビで見ているのでは中継されないが現地だと電光掲示板に過去のレースをCM的に流してきて盛り上げてくる。いちいち歓声が上がったり、拍手が起きたり、これだけでも現地の醍醐味を十二分に感じる。
 馬券自体は早々と買っていた。内容としては一押しのタスティエーラに単勝複勝500円ずつ。3強と目されていたタスティエーラ・ソールオリエンス・サトノグランツで3連単を全通り、この3頭にサヴォーナ、ハーツコンチェルト、ナイトインロンドンを合わせたワイドをボックスで買うと、100×(6+15)=2100円。まあこんなところだろう。さてどうなるか。
 ゲートが開くとトップナイフが出遅れ、大外のドゥレッツァが前へ行く。そのたびに人がざわめく(と言う私自身「ええっ!?」くらいは叫んでいたはずだ)が、「ルメールが逃げるなら俺は信じる!」みたいなこと言ってるおっさんが近くにいて面白かった。タスティエーラが今どこにいるのかさっぱりわからず、ドゥレッツァが抜かされたりしながら、もう最後の方には周囲360度の人間の感情が爆発しまくっていて何が何だかだったが、ゴール板の前を17番が最初に通りすぎ、次に来たのが7番だったのはわかった。んんん?つまり1着はタスティエーラじゃないが???2着か???その数秒後には誰が言うまでもなく「ドゥラメンテ」という言葉が聞こえ始め、ドゥレッツァが勝ったことがじわーっと共通認識になっていった。しかし、現地だと逃げていて抜かされたはずのドゥレッツァがどうやって先頭に立ったのか、最終直線前でもパッとしなかったタスティエーラがどこから抜け出していたのか、ソールオリエンスは何着だったのか、冷静に考える余裕ないまま、ただただ興奮だけが渦巻いていた。
 後から見直すとドゥレッツァは中盤で息を入れた後最終直線で加速するというわけのわからないことをしていたし、タスティエーラは競馬が上手かったし、ソールオリエンスはコーナーでロスがあったようだ。タスティエーラは負けてしまったが、皐月賞のように悔しくはなかった。レース後にタスティエーラ陣営は「勝ち馬が強かった」旨を述べていたが、実際にドゥレッツァの競馬は「最も強い馬が勝つ」を地で行っていた。後から振り返っても大外の不利をさっさと先頭に立つことで埋め、中盤に一息入れた後最終直線で本気を出す(しかも淀の坂を挟んだ後)のは意味が解らなさすぎる。王道と技巧のタスティエーラがこれに対抗して勝機を見出す―勝てたはずだと思うには、ドゥレッツァはあまりにも強かった!と同時に馬群から器用に抜け出したタスティエーラも、ロスがありながら得意の末脚で追い上げてきたソールオリエンスも実力をきちんと見せてくれたので後腐れもないというか。

 まあいいや。ドゥレッツァもワイドで買ってたはずだから…?あれ???買ってねーじゃねーか!ドゥレッツァは4番人気だったが重賞初挑戦ということで実力は未知数と考え外していたのだった。いや、仮に力を見込めていたとしても、こんな勝ち方ができるとは誰も予想できなかったとは思うが…。ここへ来て沸々と悔しさが…。ドゥレッツァ!菊花賞勝ったからには今後も勝てよ!次はタスティエーラが負かしてやるからな!(矛盾した檄)
 レースが終わってから、勝利インタビューや表彰式が始まるまでは結構かかった。しかもほぼ目の前だったのでレース映像や払戻金を表示する電光掲示板は見えないし、インタビューで何を答えていたのかも声の通りが悪い。と言うより現地は何が起きても興奮しているので聴覚だけに注力できないといったところか…。
 表彰式が終わるとお立ち台のようなものはあっさりと片付けられ、桂川ステークスが始まったが、そちらももう夢うつつであまり見られなかった。


 さて最終レースも終わったし帰るか。京阪で枚方まで出てバスで高槻まで…と思ったら、JR山崎駅までの臨時バスが出ていた。270円と割高ではあったが、サクッと帰れるのはありがたい。…ちょっと待てよ。これひょっとして往路も実は臨時バスが出ていたのではないか?3キロも歩く必要はなかったのでは?…まあ終わったことはいいか。次回から気を付けよう。バスの中はもちろん競馬客ばかりだが、ドゥレッツァよりも「ドゥラメンテ」の方がよく聞こえてきた。まあ誰しも思うよね…ドゥラメンテ、なぜ逝ってしもうたんや…。

まとめ

 競馬収支としては以下の通り。

レース名 掛け金 リターン
1R 100円 110円
3R 300円 290円
6R 100円 220円
7R 100円 0円
8R 600円 1540円
11R 3100円 1060円
総計 4300円 3220円

 8Rで儲けたと思いきや、11R(菊花賞)でドゥレッツァを見逃していたせいでマイナスになってしまった。もっとも回収率としては75%なのでそう悪くもないかもしれない。

↑これはお土産

 さて今回の目的の一つにはタスティエーラを見に行くということもあったのだが、パドックは見に行けなかったし、返し馬もせず、2着に終わったことでレース後はさっさと引き上げてしまったので、結局じっくり見ることはできなかった。この点は不満が残る…。京都競馬場阪神競馬場にまた来ることもあるだろうか…。
 ここまで書き損ねた感想。

  • トイレが小便器も個室も多い!来場者は多かったはずだが少なくとも行列ができることはなく、スムーズに用を足せた。野球場でもトイレは小さかったりするのでここはうれしかった
  • フリーWi-Fiは飛んでいるが貧弱。レース場で前列に行ってしまうともう届かない。そのせいでいくつかのレースは馬券を買い損ねてしまった(まあ買うつもりの馬券が当たってないこともあったので悪いことばかりではないが…)
  • 誘導馬ペルシアンナイトが絶えず口周りをべろべろしていて面白かった。誘導馬として仕事はきっちりしていて、最後には全頭揃って観客席へ挨拶もしていてすごく躾けられているのだが…そんな時でもべろべろしていた。癖なのか、たまたま口周りに美味いエキスでも染みついていたのか…
  • ライスシャワーの記念碑は行列ができていて拝めなかった…。代わりに馬頭観音を拝んできました

 総じて初競馬場としては天候も良かったし上々だったんじゃないでしょうか。次はどうするかなあ。またGⅠの熱気を体感しに行くか…それともあまり混んでない日を選んでゆっくりとレースを見るか…。達成と今後の課題が両方あるのはいい体験だった!