志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

ウルトラヒーローズEXPO2022サマーフェスティバルの感想

 令和4年(2022)8月12日に池袋サンシャインシティで開催されたウルトラヒーローズEXPO2022サマーフェスティバルに行ってきました。前にこの手のヒーローと触れ合えるウルトラマンのイベントに行ったのは令和元年年末に行ったウルトラヒーローズEXPO ニュージェネレーションワールド in OSAKAぶりなので実に2年半ぶりという(去年特撮のDNA展に行ってなかったっけ…?あれは展示オンリーだったので)。実はウルトラヒーローズEXPO ニュージェネレーションワールド in OSAKAについてはしょっぱいという感想を当時書いたりもしていたのですが、まさかそこからこういうイベントから遠ざかってしまうような世の中になってしまうとは当時は全く想像できていませんでした。

monsterspace.hateblo.jp

 令和2年にはウルトラマンフェスティバルはオンライン開催となり、令和3年には「ウルトラヒーローズEXPO」が新たなタイトルになりました。もっとも看板が変わったくらいで中身はほとんどウルフェスなのですが。去年もやるからには行きたいという思いもやまやまではあったのですが、アルバイトが減ったことによる資金難とコロナ禍への警戒、折しも病に倒れたこともありまして見送ることになりました。

monsterspace.hateblo.jp

 しかし流石に今年は行かなくてはという思いが強かった。第7波は気になっていたものの、ワクチンは3回きっちりと打っているし、無防備ではないということと立ち寄る場所を極力減らして0泊3日プランで行くことにしました(もっとも第何波だろうが人流に無警戒な政府や世間のムードに後押しされている感覚がないというのはウソですが)。

 先述のようにイベントに行くのは久々だったので、中身はウルフェスと考えつつもコロナ禍対応で変わっている面もありました。一番大きいのは時間入れ替え制になっていたことですね。これまでのように朝から行って夕方までずっと会場でのんびり過ごすということが不可能になりました。入場時間も決められていて、展示等を見て回れるのは1時間弱、その後にライブステージですが、事前に予約をしておかないとウルトラマンデパートには立ち寄れず、そのままお開きということになります。
 これがなかなかきつい。2時間弱しかイベントを楽しめない上に気付けば料金も2倍弱に値上がりしているので、以前のウルフェスを知っていると、満腹感を覚えるには足りないのがデフォということになってしまいます。しかもあんまり考えなしにチケットを買ってしまったので、「8月12日はウルトラショットにゼノンが来るじゃん!絶対撮りたい!」と算段を立ててみたら、時間が違うのでゼノンとは邂逅できなかったという。ちゃんと調べていかないとダメですね。
 また、時間入れ替え制なのを失念していたので、入場時刻になるまでどこで時間を潰すのか?を全く旅行計画に入れていなかったという。気付いたのが前日だったのですが、Twitterのフォロワーさんにアドバイスしてもらって、サンシャインシティに入っている古代オリエント美術館に行ったら、『大館記』『二条宴乗記』『本城惣右衛門覚書』が展示されているという僥倖にも立ち会えたのはラッキーでした(まさか「松浦」の字を拝めるとは)。
 それはともかく今回は「予習」の大事さを実感することになりました。行くからにはウルトラショットのスケジュール把握、ジオラマものんびりとは眺められないのである程度どういう展示があるかは事前にチェックしておくべきでした…。これらは次回以降に生かしていきたいですね。

  • 展示



 入ると、あるのはGUTS-SELECTの基地にガッツファルコンのコクピットのセット展示!過去のウルフェスでは撮影終了した基地セットが展示されるのはままあったと聞きますが、今またその試みが見られるのも『デッカー』が王道なのと合わせて、歴史の遡及を感じますね。ニュージェネでも防衛チームがある作品はありましたが、8月下旬まで撮影をやっていたりしたのでウルフェスには展示は間に合っていませんでした。『デッカー』はまさに新しい作品なので、最終回後ではない、旬の時期である今、基地やコクピットを見られるのはうれしいところです。



 コクピットそばにはスフィアザウルスが大きく控えており、怪獣に向かって光線を撃てるところにはスフィアゴモラがいます。昭和風の部屋にはペガッサ星人ペガ、メトロン星人マルゥル、デバン、ハネジローといった『ウルクロD』でもお馴染みのメンツが集結。存在感のある巨大怪獣に親しみやすい等身大の怪獣、しかもどっちも最近見たばかりというここも良いチョイスですね。

 ジオラマではバラバがいたのが新鮮でした。他がメツオーガやナイトファング、ゲネガーグな中混じる超獣…。存在感ありますよねえ。



 そして我らがモンスアーガー!限りなく新品に近い「本物」を拝むのが今回の目的と言っても過言ではないくらい。感無量でした。
 今回もジオラマは健在だったのですが、どうしても蜜を避けて時間もなくと思うと、このアングルから撮ったら面白いのでは…やジオラマにここにこの人がいるじゃん!みたいな楽しみ方をするには余裕がなかったのが残念でした。でも何回も入ってると簡単に使用金額が万超えちゃうしなあ…。

  • グリーディング

 ウルトラショットとは別にウルトラショットに登場するヒーローがお客と触れ合ってくれるグリーディング。ただ接触してはダメなのでウルトラ広場の上の袖の方でヒーローがポーズを取ってくれるというものになっていました。

 やや寂しい感じもありますがやってくれるだけありがたいと思うしかないですね。
 そしてライブ直前になるとお姉さんとマグマ星人が現れ、簡単な寸劇をやってくれます。テンション高いマグマ星人がとにかく盛り上げてくれるし、身体を動かす試みもあって楽しかったです。

  • THE LIVE

 今回観覧したのはSTAGE2「Decker into Space(デッカー イントゥ スペース)」でした。
 印象としては思ったより真面目だったというのが最初に決ますかね。もちろんライブステージではあるんですが、ゆるーく世界が繋がっていたり、最終決戦で突然増援的に参加するウルトラマンがいたりということがなく、ハネジローとデッカー(カナタ)だけが他の宇宙に紛れ込んで戦うという、TVのデッカーの世界観を極力邪魔しないような構成になっていました。『ギャラファイ』は年々ライブ的に世界観やキャラが緩くなっていってるのに、当のライブは硬くなっていっています。ライブが「正史」になる場合もある風潮ゆえでしょうか。今回当初の地球での戦いではステージ上にミニチュアビルを置いたりしていたしね。
 ヒーロー共演もそうでトリガーはあくまでイメージ出演、ダイナは存在は匂わせつつも直接は戦わずカナタに語りかけるのみという、TVでのトリガーとの共演や今後あるかもしれないダイナとの共演とバッティングしない出し方になっていて、ストイックでした。その分登場ヒーロー数も限られていて、最終決戦もそこまで入り乱れヒーローアクション!な感じはなく…と思いきや、最後にフィナーレバトルとして、ストーリー上の最終決戦とは別にヒーローが入り乱れで戦いました。確かにこれまでは最終決戦で無理やり多く出して、ストーリー上はぽっと出のヒーローがいたり、ラスボスにまとめて苦戦したり、そういう点に不満が全くなかったとは言いませんが、それらを解決する試みとしては新しいですね。個人的にはレグロスを生で見られたのが大きかったです。
 ストーリーはスフィア合成獣との戦いの中で別宇宙に飛ばされたデッカー(カナタ)とハネジローが無垢なロボットと出会い交流していたところに、復活したレイブラッド星人と戦っていたゼロ、ジード、タイガが現れデッカーと共闘するというもの。ロボットはデッカーによって「マウンテンガリバーⅡーⅤ」と名付けられ、マウンテンガリバー5号のリバイバル的なキャラクターです。デザイン的には5号をよりスリムにした感じなのがⅡーⅤ。5号は所詮アスカの夢オチだったので、ⅡーⅤと原典の5号に設定的リンクはあるはずもないですが…(ただしⅡーⅤもメイン武器はスペシウム砲の模様)。ⅡーⅤという命名は上手いですよね。5号の第2弾とダイナ25周年を合わせたネーミングになっているので。
 このⅡーⅤですが、また業が深いロボットで、善も悪もない存在なのですが、デッカーと出会い交流し、またレイブラッド星人から悪の心を植え付けられるなどで徐々に変容していきます。何だかキカイダーを思い出しますね。終盤で退場してしまうのですが、扱いとしては生死不明。最終決戦で援護してくれたことを匂わせます。この手のライブでのオリジナルキャラは非業の死を遂げるか、仲間になるかというところだったのでこれも新しい。着ぐるみもよく出来ていたし、今後TVシリーズで再登場があったりするのかもしれません。
 怪獣と言えばスフィアエレキングやスフィアゼットンも登場しますが、これらは見るからにアトラクション用スーツの改造で見栄えはそこまで良くはありません。ただ、こういうところでオリジナルのスフィア合成獣を用意してくるのはこれまた「真面目」な部分ではありますね。また、今回のラスボスはで怪獣としてスフィアザウルスが登場!これが本当にどデカい。で怪獣の新作に最新作から怪獣がチョイスされているのと合わせてなかなか感動しました。
 あとたまたまですがカナタが生出演するステージを見られたのもお得でした。もうTVシリーズはクランクアップしてるので、半年の撮影経験を経たカナタの横顔や演技は様になっていて、こういうものを見られたのは良かったです。

  • 総合

 気が付けばコロナ禍対応ということで、アイスどころか飲料の自販機も見かけず、ウルトラPもありませんでした。先に述べたように時間入れ替え制になった上に料金も値上げされているので、以前のウルフェスを知っていると十二分に楽しめたというわけにはいきません。それでもコロナ禍の中でどのようにエンタメしていけるのかという努力がようやく形になりかけてきているのは感じます。本音はコロナ禍が終わって以前の常態に戻るのが一番ですけどね、当面はそうはならないでしょうので、今は我慢して試行錯誤を積み上げていくのを応援するしかないんでしょう。
 そうしたところですので、「驚き」という面は弱かったかもしれません。ライブであのヒーローが出てくるのか!もそこまで鮮烈ではないし、いつものウルトラヒーローの着ぐるみは全員どこかに展示されているというものもありませんでした。ただ、真面目に洗練した一品を出すというか…ある意味『デッカー』にふさわしいイベント内容と言えるかもしれません。注目したいのは、私は楽しみにしつつ会うことは叶いませんでしたが、ウルトラショットにゼノンが現れたことですね。これはもう間違いなく『ギャラファイ』でフィーチャーされたおかげでしょうが、その前はそもそもゼノンのファンなんてそんないなかっただろうし、当然イベント需要もそこまでなかったでしょう。そういうキャラを発掘して人気を出していこうという目論見が見えたのはうれしいことでした。
 今後は関西圏でもイベント開催が再開していくことを願っています。