知ってると思ってるけどよく考えたら意外と知らない、そんな人物や出来事を研究者が斬る!ことでお馴染みの戎光祥出版さんの中世武士選書シリーズ。最新刊は何と中西裕樹先生が描く、摂津の戦国時代。これは高槻市民としては読まざるを得まい…といった趣きがあります。
副題は「高山右近と中川清秀」とのことで、やっぱ織豊期のこの2人がメインなのかと思えば何の何の。彼らが本格登場するのは何と後半3分の1といったところです。これだけ聞くと「おいおい詐欺か?」と思われるかもしれませんが、右近と清秀が登場するためにはこれくらいの前史が必要、と言うか本人が出ない3分の2こそが右近と清秀の摂津国人としての血肉を形成するわけです。これまで高山右近の本というのはたくさん出ていますが、本当にベースの部分を掘ってから語るこの本のようなタイプは初めてではないでしょうか。この時点で全く新しい本で、出た価値がありますね。
- 作者: 中西裕樹
- 出版社/メーカー: 戎光祥出版
- 発売日: 2019/08/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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