志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

『ウルトラマン公式アーカイブ ゼロVSベリアル10周年記念読本』(実業之日本社)の感想

 ウルトラマンゼロと言えば、私にとっては彼がキャラクターとして生を享けた時からずっと付き合いがあるわけで、ある種苦労していた時代を知る者としては、今の押しも押されぬ大人気ヒーローぶりには正直言って面食らうところさえあります。あのゼロがこんなにも支持を獲得している様が可視化されているんだから本当にすごいことですよ。
 そんなゼロも初登場した『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』以来10年ということで、ウルトラマンゼロ10周年展開がドバドバ来ているのが現状です。COVID-19の流行がなかったらもっと盛り上がっていたのかなという点は惜しいですが、ゼロ10周年を盛り上げて行こうとする「意志」は強く感じられます。もちろんグッズや映像展開、イベントも楽しみですが、一つの本丸として書籍・ムックと言うものも外せないでしょう。

ウルトラマン公式アーカイブ ゼロVSベリアル10周年記念読本

ウルトラマン公式アーカイブ ゼロVSベリアル10周年記念読本

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 そして、期待通りと言いますか、ムックが出ました。ゼロのムックは超全集などを除けばこれで3冊目でしかも3年連続ですかね。このペース自体がゼロが人気であることを物語るには充分でしょう。

※過去のゼロムックレビュー記事
monsterspace.hateblo.jp
monsterspace.hateblo.jp

 しかも今回のムックは過去のものとは趣が違います。過去のものはどっちかと言うとビジュアルブック要素が強いものでしたが、今回はスタッフやキャストへのインタビューが本体です。目次をコピペすると以下のようになっています。

■VOICE of ZERO
宮野真守(ゼロの声)スペシャルロングインタビュー

■ACT of ZERO・出演者インタビュー&コメント
小柳友(『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』ラン/ゼロ役)
DAIGO(『ウルトラマンサーガ』タイガ・ノゾム/ゼロ役)
関智一(グレンファイヤーの声)
緑川光(ミラーナイトの声)
神谷浩史(ジャンボットの声)
入野自由(ジャンナインの声)
小澤雄太(『ウルトラマンジード』伊賀栗レイト/ゼロ役)
濱田龍臣(朝倉リク/ウルトラマンジード&ナオ役)
青柳尊哉(ジャグラス ジャグラー&ヘビクラ ショウタ役)
平野宏周(ナツカワ ハルキ/ウルトラマンゼット役)
畠中祐(ウルトラマンゼットの声)
大西雅樹(『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ゼロ スーツアクター)
岩田栄慶(ゼロ スーツアクター)

■CREAT of ZERO・スタッフインタビュー&コメント
坂本浩一(監督)
アベユーイチ(監督・脚本)
おかひでき(監督)
長谷川圭一(脚本)
安達寛高[乙一](脚本)
田口清隆(監督)

■ENEMY of ZERO・ベリアル関連インタビュー&コメント
小野友樹(ベリアルの声)
岩上弘数 (ベリアル スーツアクター)

■ART of ZERO・ゼロ+ベリアルデザインワークス
ゼロ&ベリアル主要デザイン画稿解説
後藤正行(キャラクターデザイン)インタビュー

 常にゼロと付き合ってきた宮野真守氏はもちろんのこと、歴代のウルトラマンゼロの人間体を演じてくれた俳優方、ウルティメイトフォースゼロの声優陣、関わりの深いウルトラマンに関する役者・スーツアクター陣、ゼロ映画3作を演出した監督陣…とほぼほぼオールスター陣容ではありませんか!ウルトラすごいぜ!大西さんや岩上さんといった銀河伝説のスーツアクターにも話を聞いているのが通ですよねえ。企画してくれた方々には最大限賛辞を贈りたいですね。
 内容的にも大変良かったです。宮野氏のゼロへの思いをはっきり聞けたのはもちろん、UFZ声優のコメント(インタビューではなく事前に用意した5つの質問に答える形式)や小柳友氏は映画以来ウルトラとの関わりは希薄だったので「今」ゼロを語っていらっしゃったのは貴重でした。近年はあまりウルトラとの関わりがないおか監督やアベ監督もですが、皆さん「自分が出演する」「自分がメガホンをとる」ウルトラマンゼロの新作への貪欲さも窺え、ファンとしては「どうぞどうぞ!やってください!」という心持ちしかないですよね(ゼロの恋愛話見てみてぇ~)。
 上記の人数の多さからもウルトラマンゼロが多くの人の手を経て作られていったキャラクターだったとしみじみ感じました。130ページありますけど、ほぼほぼ中はインタビューなので(作品紹介ページもあり)これが即ゼロの「厚み」なんですよね。もちろん欲を言えばキリがない(土屋太鳳嬢からもコメント欲しかったとか)んですが、「おれはこれが読みたかった」というものに仕上がっていて満足です。
 惜しい点があるとするなら、ベリアル関連のページが白黒印刷だったことと資料集要素ですかね。ただ、後者については結構楽観していると言いますか、待ってりゃまたムックが出てそっちでやってくれるだろうみたいな心境にあります。10周年が終わってもウルトラマンゼロの展開は続いて行くと思います。奴は終わりのないヒーローなので、私も付き合いを続けるべく頑張って生き抜いて行きます。

PS そうそう今回ちょこっとですが『ウルトラマン列伝』についても触れられていて、ゼロの歴史の中で列伝は大きな位置にあるので、忘れられていなくて良かったですね。