平成30年(2018)8月23日に池袋サンシャインシティで開催されたウルトラマンフェスティバル2018、いわゆるウルフェスに行って来たので、感想を書いて行きます。
- 展示
ウルトラ怪獣総登場と言えば、ウルフェス2013を思い出しますね。あの時は造形物や珍しいソフビを総動員だったのを思うと、あれを超えるのは厳しいのかもしれません。今年は会場に設置された9つのタブレットで展示に収まらなかった怪獣をフォローしていました。これがまた珍しいスチールがあったりして見所があるんですが、狙ったキャラクターがなかなか現れないというね…*1。
珍しいジャンバスター撃つカットのジャンキラー(ジャンナイン)
毎年いますが、そのたびに映像作品で再利用できないのかなと思う飛び人形たち(写真はブリッツブロッツ)
ミニチュア撮影スポットはいい意味でいつも通りと言ったところでしょうか。小ネタやジオラマの中の人物のちょっとしたドラマを探すと飽きませんね。
しかし、今回もっとも満足度が高いのはジオラマ以外でもウルトラヒーローと怪獣の戦いを再現するものが多く、さらに怪獣の撮影用着ぐるみ率の高さでしょうか。これは近年のウルフェスでは随一だったと思います。
推されているのか推されていないのか、ダークネスファイブが微妙に揃わない(デスローグがおらず、ジャタールはスーパーヒッポリト星人名義だった)のが惜しい。
特筆すべきは、グレンファイヤー・ミラーナイト・ジャンボットといったウルティメイトフォースゼロのメンバーたちが常設展示に初登場したことでしょうか。扱われるようになるまで長かったな!しかし、ポーズの付け方がどう見てもガラが悪いぞ…(着ぐるみが一品物のジャンナインが当然のようにいないのが残念なところですね)
- グリーディング
ウルフェスと言えば会場内にウルトラヒーローがお客さんに愛嬌をふりまきながら、握手などをするグリーディングも名物ですね。しかし、今回は量・質ともに近年最高レベルでグリーディングが行われていてびっくりしました。記憶頼みですが、去年はキャラクターは一日5人ほどでその5人でローテを回していくような出番だったと思います。
しかし、今年は30分~1時間置きごとにどんどんキャラクターが投入され(もちろん同じキャラクターが違う時間に出て来ることもありましたが)、常に会場内にはヒーローがいるという状況でした。すげえ…。どのヒーローも人気があり愛想がいいのでもう完全にハーメルンの笛吹き状態でした。どこへだって行けるぜ。
中でももっとも度肝を抜いたのはグレンファイヤーです。グリーディングにウルティメイトフォースゼロのヒーローが出るのは厳しいかなと思っていたところ、8月下旬からグレンファイヤーが出始め、会えるといいなと淡い期待を持っていたのですが、最後の方で現れてくれ会えてよかったです*2。しかし、度肝を抜かれたのは特異なチョイスということではなく、グリーディングのフリーダムさでした。アイスコーナーの近くにいたら、「グレンが現れた」といったざわめきが漏れ聞こえてきたので急いで見に行こうとしたら、グレンは客を待たず会場内を走ったり、スタッフ用出入り口を駆使して神出鬼没であったり、付いてくる客たちを完全に振りきっていました。グリーディングの破天荒と言えばウルトラマンナイスも相当でしたが、今回のグレンは確実にナイス以上と断言できます。いやあすごかった。「自由すぎるだろ…」
他にはウルトラマンエックスのゴモラアーマーにも会えたのも貴重な体験でしたね。ゴモラアーマーがやれるのならジャン兄弟も来ていいじゃん
- ウルトラライブステージ
私が観られたのは2部「時代を染めろ!伝説のウルトラ兄弟」でした。内容を追いながら言いたい感想を述べていきます(漏れがあるのはご愛嬌)。
※もう一月以上前なのでだいぶ忘れていて、思い違いなどがあるかと思います。
まず、いきなりマグマ星人たちの大ミュージカル演出。「何が始まったんだ」といったところです。
何よりマグマ星人がこんなにいる!というので掴まれましたね。着ぐるみは基本的にキャラクター毎に一品物という貧しい発想が根底にあるので、以前のEXPOやウルフェスでEXゼットンやザムシャーの軍団が出てきたのもそうですが、同じ種族が大量に出るとテンション上がります。
そこへルーブ兄弟が現れてマグマ星人と戦い始めます。
「俺達はお前らみたいな兄弟ウルトラマンは嫌いなんだよ!」とマグマ星人たちが叫ぶと背景画面に真紅の獅子兄弟が…。こういうちょっとした演出がうれしいですね。でもレオ兄弟が嫌いってそれは経緯的には逆恨みなのでは…?
ルーブ兄弟の前にマグマ星人たちは一時撤退しますが、戦いの息が合わなかったこともあり、ルーブ兄弟は諍いを始めてしまいます。一方マグマ星人たちの兄妹たちも戦略を見直そうとします。
そこへ現れたのがCV:安元洋貴のアーマードメフィラスです。「魔導のスライ」じゃねえか!と言いたいところですが、目の色が青なので別人です。『ウルトラマンオーブ』のノストラといい、メフィラス星人=CV:安元で統一していくつもりなのか?
メフィラスは観客(サクラ)を実験台に力を与えようとします。どうでもいいですが、サクラの観客がかなりリアルで初見時は驚きました。そこへルーブ兄弟が駆け付けますが、二人は喧嘩中ということもあり、ブルは最強のマグマ兄を相手にピンチに陥ります。
そこへ助太刀に現れたのがウルトラマンゼロとウルトラマンジードの二人。特にゼロはマグマ兄と互角に渡り合い、別格の「強さ」をアピールします。逃げたマグマ星人やメフィラスを追おうとするウルトラマンたちですが…
ゼロはウルティメイトフォースゼロのメンバーから通信が入り離脱を余儀なくされます。「ベリアル軍の残党」が暴れているから手伝ってほしいということですが、声の出演の都合上、グレンファイヤー(CV:関智一)とジャンナイン(CV:入野自由)のみが言葉を発するという面白い状況です。ここは感心するところなのですが、後述します。ちゃんとゼロがジードを一人前と認め信任しているのもうれしいところです。
ブルを追うジードは、兄への不信を口にするブルに対して、自分の仲間のことを話します。ついさっきのウルティメイトフォースゼロもそうですが、この場にはいない仲間という存在の絡め方がとてもいいですね。こういう演出は直接出ていなくても存在感がアピールできます。しかし、兄弟間の喧嘩を宥めるのに「仲間」を持ち出すのはちょっとずれているような気も…。
そこへ怪獣軍団を引き連れたマグマ兄妹たちが来襲、ジードは倒されてしまいます。ロッソも駆け付け、兄弟タッグでマグマ兄妹と対峙するのですが…。何とマグマ兄は弟と妹を手にかけてしまいます。兄を慕っていた弟や妹の悲痛さ、長兄ゆえの虐待を受けたことで弟たちを怨みに思っていた兄と凄惨な光景が現出します。しかし、弟たちを手にかけた兄を許せないロッソは大激怒し、マグマ兄へ殴りかかっていきます。このライブのハイライトとも言える熱いシーンだと思います。
そこへメフィラスが現れ、マグマ兄を始末して最強の怪獣カミソリデマーガを召喚します。ここはちょっと惜しいところと言いますか、別にカミソリデマーガである必要性がないのがもったいないですね。ただ、TVの『ウルトラマンR/B』でも出演予定のあるカミソリデマーガが生で大暴れするのでそこは見所でした。
カミソリデマーガの前に劣勢になるルーブ兄弟でしたが、そこへ伝説のウルトラ6兄弟が現れ戦い始めます。いやあカッコいいです。ただ、そこへ愛染マコト丸出し人格のウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが現れ…
!?
何だこのバルタンのバケモノは。こんなやつ見たことねえ!これまでのウルフェスライブはデカブツ枠はアークベリアルやタイラントのローテが続いていたので、この投入は新鮮抜群と言いますか…何だよこれ。リアルで色が変わるタイプチェンジを披露するウルトラマンティガや通り魔的に襲いかかって帰って行くオーブダークなどもありましたが、写真もないので省略します。いつも通り最後は総力戦で勝利して大団円です。
大先輩を前に畏まるロッソが面白かった。
ウルトラ兄弟が本当の兄弟ではないことを聞いて驚くロッソでしたが、去年といい血縁のみが家族ではないというメッセージを送るのは意味を持たせるところなんでしょうか。
ウルトラ戦士全員でポーズを決め、客席へ降りてサービスしつつ終わり!…かと思いきや前方画面にウルトラマンゼロが現れ「最終決戦に間に合わなかったか…」と語ります。
ゼロはグレンファイヤーに後を任せ、グレンが「ウルフェス楽しんでくれよな!」と宣伝して締めます。個人的によく見られなかったのですが、後方ではペガが現れて何事か語っていたようで会場から出る客、出ない客を分けて混雑を避けるための試みでしょうか。こういうのが見られるのはいいですね。
さて、ウルティメイトフォースゼロ登場とゼロ離脱の場面で後述すると言っていたことですが、どういうことかと言いますと、ライブステージは毎年30分の前半は出たけど、後半には全く出て来ないヒーロー、あるいは後半にのみ登場するヒーローがいるんですよね。たいていは敵情を探りに行ったっきり戻ってこないんですが、ウルフェス2015のミラーナイトのようにいつの間にか消えてるような扱いだと「何しに来たんだ」とも思ってしまうわけです*3。今回のゼロ離脱はそのような懸案を宥和的に見せるのみならず、ゼロの仲間ヒーロー出演というファンサービスや、ラストの映像登場への伏線にもなっているわけで、クレバーな工夫だったと感心した…という次第です。でもこれ来年以降別のヒーローでもやれるのかな…?
ウルトラマン THE LIVE ウルトラマンフェスティバル2018 スペシャルプライスセット [DVD]
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2019/02/15
- メディア: DVD
- この商品を含むブログを見る
- ウルトラP
オープニングでいつものメンツが顔出しした後、皆が知ってるケムケム大師匠が歌を歌ってくれます。観客に歌ってほしい歌を募るわけですが…一人「スコットー!」と叫ぶ子供がいて、何と『ウルトラマンUSA』の主題歌「時の中を走りぬけて」を替え歌で歌います。流石はケムケム大師匠…円谷特撮ソングは何でも歌えますね(歌えてるか…?)。しかしこれに味を占めたのか、大きなお友達が「グレートー!」とか「パワードー!」とか言い出したため、ケムケム大師匠もこれに応え、海外組の主題歌を網羅しました。悪ノリが過ぎてるような気もしますが、珍しい替え歌が聞けて良かったかな…?
早くもルーブ兄弟がウルトラPに参戦!「俺達が主役だ!」と意気込みますが、そこへベリアルが幼ジードを連れて「主役はジードだ!」と乗り込んできます。幼ジードくんの前にルーブ兄弟はたじたじです。
そしてお決まりのベリアルのシルエットクイズが始まります。流石に最初の方のゴモラっぽい→スイカを被ったピグモンなどは観客もある程度慣れられてきたのか、見破られることも多かったですが、どんどん手の込んだことをやってきますね(にゃんことかペンギンとかもはやウルトラマン何も関係ねえ!)。
さて、ルーブ兄弟に触発された幼ジードくんは「兄弟が欲しい」と言いだします。ベリアルはその要望を受け入れ、ヒカリ博士への手紙を託しお使いに送り出します。
幼ジードくんは途上でゼロに会いますが…
幼ジードくんは底なし沼に落ちてしまい、ゼロが何とか助けます。すると…
!
真っ黒になった幼ジードくんの面影に何かを感じたゼロは幼ジードくんに父親の名前を尋ねます…。緊迫の一瞬です。
しかし、幼ジードくんは父親のことを聞かれ「ダーダ」としか答えません。これを聞いたゼロも「そうか!ウルトラマンダーダか!」と納得してしまい、何とか危機は回避されます。そこへタイミング良くヒカリ博士が通りかかり、幼ジードくんは初めてのお使いを果たします。
そして…
ベリアルが用意した「兄弟」とはヒカリ博士に作らせたダークロプスゼロだったのでした。幼ジードくんはダークロプスゼロにウルトラマンゼロの面影を見て慕い始めます。
ウルトラPの物語パートはこれで終わりですが…。何の変哲もないお使い話と思いきや、業の深い人間関係が進行していることにお気付きでしょうか?幼ジードくんは明言があったわけではないですが、おそらくシリーズ本編と同じくデザイナーベビーです。人工生命にロボットを「兄弟」として与えるベリアルもなかなかキてますが、ベリアルの「息子」とは知らず、幼ジードくんと親睦を深めたゼロに、与えられた「兄弟」にゼロを見出す幼ジードくん…。幼ジードくん周りの人間関係は全てが脆いものに見えます。ウルトラPは年単位でお話が続いていったりするので、今後この人間模様がどのように展開して行くのか、注視したいと思います。
- 総合
ウルフェス2018の内容は色々ありますが、私にとって特筆すべきことはウルティメイトフォースゼロが登場8年目にしてようやくそれなりに扱われたと言うことでしょうか。「ウルトラマンではない」けれどもヒーローキャラクターである奴らの扱いをどれくらい持たせるのかは難しいところだと思います。ただウルフェスではライブステージに登場したことはありつつも展示ではほとんど登場しないなど、疑問を持つ扱いが続きました。何というか一方でフォローしつつも一方ではスルーしているというのは結局どうしたいのかが見えなくて気持ち悪かったんですよね。
しかし、今年のウルフェス2018ではウルティメイトフォースゼロがジャンナインを除いて展示に登場し、ライブステージでは映像を利用して全員出演を果たし、終盤限定とは言えグレンファイヤーとミラーナイトがグリーディングに登場するなど「ウルトラヒーローの一員」としてバックアップしていくという一貫した姿勢が見られたのはうれしいことでした。奴らは露出が少ないので「おれは好きだけど、一般客はどう思ってるんだろう?」と一般客の反応がなかなか見えないところがあります。それが展示や実際の登場があると、「あっ、あれミラーナイトだ」と名前を呼んでくれる子供や親御さんがいたりして、ちゃんと知名度や人気があるんだなというのが目に見える形になります。私もファンの端くれとしてうれしいですし、こういうのが積み重なって人気がどれくらいなのか公式も認知してくれると思っています。劇場版ウルトラマンジードでのウルティメイトフォースゼロの出番は100%納得が行くものではありませんでしたが、その効果で今回のような扱いの向上が実現したと考えるとかなり有意義だったとも言えるかもしれません。来年以降もこの扱いが維持されるのかはわかりませんが、とりあえずの収穫と言っておきましょう。
加えて言いますと「誰対象やねん」な商品であるブロマイドが売られていました。メンツは平成三部作とニュージェネレーションとウルティメイトフォースゼロにダークネスヒールズで、他3つは今後も展開があるので奴らも期待したいですね。売れるかどうか半信半疑で入荷を絞っていたのか、本当にものすごく売れたのかはわかりませんが、売り切れも早かったのでこれも人気の一つのメルクマールになるかな。
個人的にウルティメイトフォースゼロに入れ込んでいるのでやたら長く語ってしまいましたが、それ以外でも特撮ステージとセットではなくてもウルトラマンと怪獣との対決をイメージした展示や、その展示も本編用スーツが多かったり、グリーディングも質・量ともに拡充されていて、近年では随一のウルフェスだったと思います。
- そういえば忘れていたアイスまとめ
ビートスターのアイス。白くてシャリシャリした質感があっさりと、それでいてコクのある逸品。本人っぽいようなそうでもないような味だ #ウルフェス pic.twitter.com/FGv3YOjTDr
— 志末与志 (@shima_126) 2018年8月23日
写真も撮れたので今度はカミーラのアイスで。全体的に甘ったるい中にビターさが混じる感じ #ウルフェス pic.twitter.com/CPOC4Mp0s4
— 志末与志 (@shima_126) 2018年8月23日
最後は伏井出先生のアイスで。チョコなのにシャクシャクする食感が新鮮 #ウルフェス pic.twitter.com/AUPea3CG3u
— 志末与志 (@shima_126) 2018年8月23日