『ウルトラマンギンガ』に登場する怪獣・ウルトラマンは基本的にダークスパークウォーズを経て、ギンガ宇宙に飛ばされてきた存在です。
『ギンガ』に登場する怪獣もウルトラマンもスパークドールズ化されて意志を奪われた存在であり、名前の末尾に(SD)というスパークドールズ由来の存在であることが示されます(スパークドールズ化を左右するギンガと闇の支配者のみ例外)。
例えば、『ギンガ』ではウルトラマンタロウやサンダーダランビア、ティガダークなどが登場しますが、ムックや公式サイトでは彼らもウルトラマンタロウ(SD)、サンダーダランビア(SD)、ティガダーク(SD)などと表記されるわけです(元がスパークドールズなので、身長体重設定もスパークドールズサイズ~巨大化サイズという風に表示されています)。
スパークドールズの彼らが元の姿に戻れる方法…それはギンガスパークやダークスパークの力で呪いを解くことです。ウルトライブやダークライブにより、スパークドールズは元の姿に戻る事が出来、ライブした存在によって操られます(ライブされた怪獣やウルトラマンの意識はありません)。
そして、戦闘が終わるか倒されるかすると、再びスパークドールズに戻ります(恒常的に呪いを解くには闇の支配者を倒さなければなりません)。
しかし、ジャンナインは操縦方法が明確にウルトライブと異なっており、戦闘の合間にもスパークドールズには戻らず、宇宙空間にジャンスターとして待機しています。
また、意思表示も行ったことがあり、以上の点において、他のスパークドールズ由来の怪獣やウルトラマンとは異なっています。
そこで公式サイトや超全集や図鑑類の設定を見てみますと…ジャンナインには(SD)表記もスパークドールズからの身長体重設定もありません。
これはどういうことなのか…公式としては『ギンガ』のジャンナインはギンガ宇宙では例外的にスパークドールズから実体化した存在ではないということです。
実際、『ギンガ』1話でのダークスパークウォーズを描いたシーンは、ウルトラマンUSA組やレイモンまで参戦していたり、ウルトラマンジャスティスなど2人もいる(分身?)ウルトラ戦士がいたりと数多のウルトラ戦士が集結しているのが確認できるにも関わらず、ウルトラマンゼロを含め、ウルティメイトフォースゼロの戦士は誰もいません。
ただ入れ忘れただけという可能性も否めませんが、『ギンガ』が始まるまで現役だったゼロまでいないのは忘れたと思うには変なので、ゼロとその仲間がダークスパークウォーズに参戦していないのは意図的なものであったと推察されます(その正確な意図についてはわかりませんが)。
要は『ギンガ』のジャンナインはダークスパークウォーズとは直接関係ないままギンガ宇宙にやって来たということですね(『ギンガ』の続編の『ギンガS』ではスパークドールズが地球に飛来した理由としてビクトリウムに引き寄せられたという新設定が追加されています。ジャンナインもエメラル鉱石と似た性質を持つビクトリウムの調査に来ていたのかもしれません)。
…
とここまで書いてきましたが、『ギンガ』本編にジャンナインのスパークドールズは登場しています。
第7話です。
…
これは…どういうことなんでしょう?
ジャンナインはSD由来ではない、が公式設定と上で記しましたが、これが設定という形で定まったのは遅かったと思われます。
というのは、『ギンガ』のソフトの作品解説書での監督のコメントによりますと、第6話ではヒカルがジャンナインにウルトライブするという案が最後まで残っていたのです。ウルトライブするというからには、ジャンナインのスパークドールズがあったはずです。
『ギンガ』は監督陣の連携が悪かった、というのは数々の証言があることですので、第7話を演出した原口監督は第6話での変更を知らず、第7話でそのままジャンナインのスパークドールズを映してしまった…ということではないかと思います。
そして、ジャンナインへのウルトライブがオミットされたことで、ジャンナインはスパークドールズ由来ではない、が改めて公式設定となったと考えるのが、まあ制作側から見た穏当な解釈でしょうか(あくまで推測なので真実かはわかりませんよ)。
しかし、これでは劇中的な矛盾の解決にはなっていませんね。
そこで、『ギンガ』の続編である『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』において、友也が仮想空間でのウルトライブを実験していたということを併せて考えてみたいと思います。ここでは、友也が作った怪獣図鑑のイラストが実体化したスパークドールズが大量に登場しますが、それはスパークドールズそのものではなく、厳密に言えばただのソフビ人形です。
第7話において、画面に映ったジャンナインのスパークドールズは厳密な意味でのスパークドールズではなく、まさに友也が作らせたジャンナインのソフビ人形だったのではないでしょうか。
ジャンナインはダークスパークウォーズには参加しておらず、それゆえスパークドールズも存在していない。これが『ギンガ』におけるジャンナインの設定であると結論付けたいと思います。
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