志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

「ウマ娘 プリティーダービー」はじめました

 年初以来ウマ娘 プリティーダービー』というコンテンツが爆発的に流行っていることは知っていた。しかしあまり興味がなかった…と言うよりも、興味を持てる環境になかったと言うべきか。9月まで持っていたスマホはもう4年目で入手当時はそれで良かったのかもしれないが、容量が16GBしかなく当然容量はカツカツになっていた。『ポケモンGO』は基礎教養的に入れていた(そもそも持ち運びしてないと歩数溜まらないしね)ものの、アプリの更新があるたびにアプリ消去→再ダウンロード・再ログインでやり直すのがデフォなくらい容量に余裕がない。以前のスマホをサブ的に使ってもいたがこちらも老朽化激しく、『ポケモンマスターズ』は古いほうに入れていたのだがたびたびアプリが落ちてほとんどまともにゲームできない様子が1年以上続いていたのだった。かかる状況ではちょっと興味がある程度では新しいソシャゲをダウンロードするのは物理的に不可能だった。そういうわけでここ数年Twitterを眺めて、流行りのゲームが観測されても「じゃあ手を出すか」とはならなかったのだった。
 それを抜きにしても元来の性向として擬人化もとい美少女化コンテンツに生理的に馴染めないものを感じていた。何でもかんでも美少女にしてしまうのはあまりに安易ではないか。何より、この手のゲームは男の主人公に他は女の子ばかりというのが、男に都合が良すぎるきらいがあって何だかな。ぶっちゃけこの手のプレイヤーの分身である自分に都合が良すぎる設定や環境は、それは魅力的な「理想」に過ぎず、非現実的なものを見てしまうのだ。私はギャルゲーとか基本的にやらないので免疫もないし、せいぜい『パワポケ』で彼女攻略に勤しんだくらいか。しかし『パワポケ』は野球ゲーム(一応)だし、女の子ばかりというわけではなく、そもそも彼女攻略してるはずがいつの間にか超能力バトル(野球は…?)していたりするので、男にご都合主義的な設定・環境はあまり感じなかったのだった(攻略失敗した場合のバッドエンドが強烈なのもご都合主義感を弱めている一因かもしれない)。
 はい、ここまでが前振りです。
 スマホの機種変更を行ったことで、容量が64GBに増え、かなり余裕ができた。結構アプリを入れたつもりだが、それでもまだ20GB以上容量が余っている。これなら少し興味を持った程度でもアプリをダウンロードできる。
 そういうわけで(興味本位に)やってみた。
 お、面白いじゃん!
 この手のコンテンツは述べたように、ハーレム的と言うか、無条件に相手女子から好意を寄せられて、それを楽しむイメージがあった。そういう楽しみ方を否定するわけではないが、私には性が合わない。それがどうしてわりと受け入れられるようになったのか。
 一つには、内容がスポーツものとして王道で、パワポケ的な彼女攻略なら彼女にするのがゴールだが、ウマ娘の場合レースで勝つのが目標で、育成シナリオは基本的にそれに沿っていることがある。
 レースと言っても結局美少女化したウマ娘がやっているものなので、傍目にはただの駆けっこで、走りを競っているだけである。ぶっちゃけこれも当初はまんますぎて面食らったものだが、駆けっこは変にルールがあるわけでもないし、誰でも昔からやってきたことだろう。慣れてしまえば勝ち負けや勝負に伴う感情にものすごく移入しやすいのである。もちろん女の子であるからこそ、より大きく感情移入できるということも感じているが、本質的には努力や挫折、成功といったものに共感できるのが強いと思っている。
 また、ここから少し下世話な話で申し訳ないが、ここ数年「若さ」への性欲が減退している。もはや大学生ですら子供に見えてきており、性愛対象として見られない。もちろん性欲を感じなくなったわけでもないが、積極的に「若さ」に性欲が発生することがなくなってきている。
 そういうわけでウマ娘は美少女化されているが、もはや性欲が向くことは(本当に)全くない。JC・JKが自分に強く構ってくれる大人の異性に憧れを持つのは自然だと思っていて(知らんけど。勝手な思い込みかもしれません)、ウマ娘から好意を寄せられてもそれがプレイヤーに対する恋愛的なものに変換されないのである。
 具体的に言うと、マヤノトップガンはトレーナーのことを恋愛的に好きなケがあるが、そこでマヤノトップガンと結婚する妄想へ派生するより、10年後くらいにマヤノの現行彼氏と飲みながら「そういえばあの時はマヤノ、俺の事好きだったよな」「も~~~やめてよ、トレーナーちゃん」と笑い合ってるようなそういう妄想をしたい(断っておくけど、恋愛的な二次創作は解釈違いとかそういう意味ではなく、ゲームの中にプレイヤーとして没入する中での感情の持ちようの話である)。
 この点、実在する競走馬を元ネタにする関係上、元ネタの競走馬の名誉を汚す二次創作が抑制されている環境も良かった。固よりエロ二次創作が根絶されているわけでもないが、少なくとも目立った場では全く見ないので、プレイ前に外見情報だけによるエロ的なイメージ汚染はなかった。ウマ娘は馬耳と尻尾を持つヒトとは違う種族で、程よく人外なのも性欲を向けないのにちょうどいい異種感がある。こういう環境がなければ、プレイ前に性欲の対象にしてしまって、純粋にキャラクターとして没入するということにはならなかったはずだ。そういう意味では運が良かった。
 まとめるとウマ娘はスポーツ部分に没入できることとギャルゲー的な部分に距離を取れることで、「違和感」がなくなったことが、純粋に楽しめている大きな要因になっている。

ゲームとして

 ゲームとしてはパワプロ式…まあ私は本家パワプロをほとんどプレイしたことがなく、やっていたのはパワポケだが。ただひたすら練習と体力回復を繰り返すのが基本パターンでそこにイベントストーリーが挟まっていく。パワポケに慣れてると、お出かけに物足りなさがあるが、これはサポカイベントがそれに当たるか。それにパワポケでは節目の試合はマニュアル操作なので、ゲームの腕を磨けば試合を突破できるのだが、ウマ娘のレースは自分の育てたウマ娘が走るのを見ているだけという違いもある。もちろんプレイヤーはトレーナーでしかないのでレースに介入できないのは原作通りとは言えるのだが、目標レースを突破できるかという点に運が絡むのは冷や冷やする。
 それにしてもウマ娘のCGモデルのレベルは高い。これまでプレイしてきたソシャゲでは「ポケモンマスターズ」のトレーナーのCGモデルのレベルが高かったが、ウマ娘のは表情の推移も自然だし、モーションキャプチャーに合わせてぬるぬる動かせるし、その割に髪や腕の付け根の干渉に不自然さがない。
 さらにボイス搭載が充実している。これまでプレイしてきたソシャゲではボイス付と言っても、台詞は文章でそれに合わせて汎用台詞を喋るだけだった。ウマ娘では育成シナリオ内はそういう形式だが、個別のストーリーやイベントストーリーの台詞は声優さんがちゃんと台詞を演じている。贅沢すぎへんか…?
 一方、ジュエル、いわゆるソシャゲの石の溜まり方もガチャの排出率も渋い。あっという間に石がなくなる仕様…ということは、課金しろということである。ソシャゲとしてはすごく豪華だとは思うので、課金を求めてくる仕様は当然だろうとも思う。

推しウマ娘

 これまではこの手のソシャゲに参加している女性声優には失礼ながら量産型のイメージがあったが、実際に触れてみるとだいぶすごいな…。ちゃんとキャラクターに合致した声や演技になっているし、ただ演じればいいだけではなく歌だって歌わないといけない上にそれも上手い。慣れてくるとゲーム開始の「サイゲームス!」ボイスで誰だかわかるようになってくる。しかもネット配信や番組出演で司会進行やトークもやるでしょ。20代でこれだけのスキルを磨いている人間がこんなにも投入されているのは信じられない。こうしたことが出来るのは養成システムと若年ゆえの薄給だからだろうし、そうなると10年後には彼女らの多くもベテラン声優になりきれずに賞味期限切れになってしまうんじゃないかと危惧しているが、どうにかなってほしいな…。
 ぶっちゃけ育成したウマ娘にはもうほぼ全員思い入れがあるのだが、その中から特に、本当に特に印象に残ったのは次の4人である。

 ウマ娘を恋愛対象として見られないとか言ったけど、ネイチャさんはすごく人生の伴侶的と言いますか…。生活能力が高い上ティーン女子らしからぬ(?)落ち着き、一途さの「嫁」力はピカ一。そこに本人の自信のなさから、共依存的関係を要求してくるんだから、こんなの好きにならない人いないでしょ。でもだからと言って性欲的ではないんだよね。私服も勝負服も女っ気があまりないから。でもそれが良いウマ娘の私服はキャライメージに合致するしない含めてらしさが溢れるものだが、ネイチャの素っ気なさ感の私服はすごく落ち着く。好き。
 最近は男女ともに声優の性的な不祥事が相次いでいて、部外者だった時分は、まあ声優も100人おれば1人、2人はそういうやつもおるやろモードだったのだが、一度ハマってしまうと、ネイチャの声の前田さんには絶対この手の不祥事の当事者になってほしくないと思ってしまう(もちろん他のウマ娘声優さんたちもそうだが)。不祥事には不倫も含まれるので必ずしも抑制材料になるわけでもないが、早く結婚してほしい(セクハラか?)。前田さんが発した「にゃああああ」みたいな声は替えが効かないので…。

 外見やキャラのさわり的にはただ居丈高で意地がちょっと悪い娘に見えるじゃん?からのいい意味での裏切りが鮮烈!一流を標榜しつつその実ちょっとポンコツなのだが、努力家でそれでも及ばずに涙するのが本当に泣いちゃう。最後のうまぴょい伝説のライブでは終盤歌っているウマ娘が汗を流すが、キングヘイローは汗を流すのが一番似合うウマ娘だと思う。キングの汗からしか摂れない栄養素はありまあす!

 声も変だし占い・オカルトにドハマりしてるなんてネタキャラだと思うじゃないですか。ただそれだけに1着の時のにっこり笑顔の破壊力よ…。徐々に自分に自信をつけていく流れはネイチャに似ているが、こっちはあまり湿っぽくないし、共依存と言うよりは同じ空間を分け合うって気がする。いつの間にか声も病みつきになってしまう。

 この娘がここにいる理由は自分でもよくわからない。外見が好みなわけでもないし、シナリオがすごく印象的だったわけでもない。強いて言えば、変な奴だと思っていたのが実はすごく真面目な奴だった、というトレーナーの感情が示すギャップに惹かれたとでも言えようか。そうそう、奇人なのは間違いないんだけど、「おれだけは」タキオンがいい奴だって知ってる。そんなところが刺さったのかもしれない。

 ちなみに未保持で気になっているのは、
実装済セイウンスカイトウカイテイオーシンボリルドルフナリタブライアンエイシンフラッシュ
未実装:ツインターボマチカネタンホイザイクノディクタスビコーペガサスシンコウウインディアイネスフウジンスイープトウショウニシノフラワースマートファルコン
(実装情報は令和3年12月31日現在)

 特に大きく注目しているのはツインターボ。ぶっちゃけ外見だけ見るとツインターボ嫌いである。サイケチックな髪の色もオッドアイもぐるぐる目もギザ歯も全部がどうにも不自然に見えて苦手な要素なので、ツインターボは苦手要素役満ということになる。じゃあ何でわざわざ関わろうとしているかと言うと、苦手要素があることはもったいないと思っているからだ。ターボについては直に体験したキャラクターイメージがあるわけではないが、愚直なまでの真直ぐさが感じられるし、チーム・カノープスには欠かせない存在だろう。ターボを敬遠してしまうのは非常に惜しい。それに苦手要素役満のターボを好きになれれば、苦手要素が苦手ではなくなって、新しい「好き」を開拓できる可能性も上がる。そういうわけで、ターボ1人にこれからの嗜好の命運がかかっている。期待を昇華できる育成シナリオだといいな~。

 それにしても私はジャンルでアカウントを分けるという発想がないので、Twitterでは特定のジャンルに偏らずにFF関係を築いているつもりだが、ウマ娘を始めてみると、どのジャンルの人ともウマ娘の話をしたり、アドバイスをもらえるのに驚く。これが覇権ということなのか…。ジャンルを横断する形で普及していると、話題圏も広くなり、それがまたさらに広がっていくのだから、強いはずだ。史実の話や小ネタも聞けたりするので、楽しむことについての相乗効果も甚大!来年もまだまだ楽しめそうである。