志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

令和3年(2021)の日本プロ野球

 今年は「コロナ禍」がある種日常になっていったような年で、プロ野球も改変があったりしたのだが、オリンピック期間を除けば、おおよそ通常通りにシーズンを消化して、昨年のような何だか変なものを見ているという感覚は薄れた。選手にコロナ感染者が出て、試合が立ち行かないこともあったが、それももはやルールの範疇で、慌ただしさはなかった。大きく変わったのは、試合が9回打ち切りで固定化したことだが、延長がないというのは思ったより見やすい。いつまでも遅い時間まで付き合わなくていいし、緊張感がないことは逆に観戦のストレスも軽減するということである。日本シリーズ終戦は延長ありで11時まで試合をやっていたが、逆に日本シリーズならではの特別感もあって良かったと思う。

 まさかの優勝ですよ皆さん!
 いや…ホントオリックス優勝に関しては夢うつつと言いますか、首位に立った時も「まあいずれは首位陥落するだろう」と思ったままずっと優勝争いしていた印象である。いや、もちろん終盤のロッテとの優勝争いはやったりやり返したりでのほほんと首位にいたわけではない(陥落もしている)のだが、夢が醒めないまま優勝してしまった。
 沢村賞の山本やホームラン30本の杉本を始め「実力」が伴っていた優勝なのも間違いない。しかし…本当に、本当に「実力」があるというイメージが未だにない。去年まで毎年のように「何とかチームを再建してくれたら…」と思っていた。そこへいきなりの優勝だから…チームが強豪に生まれ変わったという丁寧なプロセスが見えないのだ。ここでこそ「勝った者が強いのだ」の精神で行きたいところでもあるが、未だ心構えも出来ていない。
 しかし、こういうふわふわした感覚を味わうことが、オリックスが優勝した、という確たる事実に特有なことでもある気がする。ふわふわしていなかったら最下位だし。来年もこのふわふわした気分が味わえると良いな。

 こちらは逆にチームの再建期の過渡としてはそれなりの姿だったと思う。「挑戦」する体勢は整ったので、来年は期待したい。もっともその点では鈴木誠也のメジャー挑戦はチームからするとやはり痛い。が、こればかりは予想も出来たことだし仕方ない。
 鍵となるのは外国人。ここ2年くらい投打に外国人枠が全く機能していない。逆に言えば、ここさえ改善されればもっと戦えるのである。頑張ってほしい。

 今年の阪神は違うで!と思ってたらゲーム差なしの2位に終わった。この結果も阪神らしいと言えばらしい。コロナ禍の下で阪神ファン民度が全国に露出しなかったのはプラスに捉えたい。
 それにしても西は2014年のオリックスに続いて、自分があと1勝していればチームは優勝していたという事態を経験したことになる。まさか西も古巣の方が先に優勝するとは思わなかっただろうな。

 地味にシーズン1位という意味では半世紀以上遠ざかってるロッテ。今年は強く、半世紀ぶり以上に9月にマジック点灯もあった。来年も頑張ってほしい。

  • 来季の新監督

 今オフは監督人事が色々と動いた。
 まず、大きいのは日ハムの新庄監督。栗山監督はここ数年明らかに無理に長くやっていたので、お疲れ様でしたである。しかし、後釜が有力視されていた稲葉監督ではなく新庄とは…!日ハム人事はこういう思い切りはすごいな。新庄と言えばどっちかと言うと奇行、とまで言うと言いすぎだろうが 、奇抜な言動で知られる。ただその一方で野球の成績は堅実に高いタイプで、「結果を出す変人」という印象だ。監督としての能力はぶっちゃけ未知数だが、奇抜な采配をしてもいいし、堅実な采配もしてもいいタイプで、そこは強いと思う。どちらにせよ、監督になったことで新庄本人や日ハムがどう変わっていくのかは楽しみだ。
 次に、中日の立浪監督。立浪…さんは、黒い噂が絶えないので監督は無理だと思ってたなあ。PL出身者でも明らかに立浪…さんにはビビっていたこともあり、個人的には全くいい印象がない。監督というのはすさまじい激務と聞くが、立浪…さんはそのストレスを自分で抱え込むことが出来るのだろうか。そもそも指導者に向いているのか。チーム云々より前にそういった面に不安が拭えない。
 今年はBクラスに終わったソフトバンクでも工藤監督が退任した。今年のソフトバンクはリリーフがダメで精彩を欠いていたが、新監督は内部昇格系で華を欠く。ソフトバンクはここ数年間違いなく球界の中心だったのでこういった地味さは珍しい。チームを堅実に再建していこうということだろうか。こういうことを出来るのは巨人とは違って融通が利くところかもしれない。
 その巨人は原監督が退任して阿部監督という予想もあったものの、結局原監督の契約延長となった。来年から阿部監督というのも無理があったとは思うが、何とも変わり映えはしない。今年の巨人は途中から中4~5をデフォにして終盤負け続けたり色々とおかしかった。原監督は栗山監督のように賞味期限切れな気もする。それでも続けさせるのは人材の不足か、あるいは優勝できなさそうな時期も原監督に泥をかぶってもらう意図か。
 侍ジャパンの監督は栗山監督になったが…これはまあ大谷翔平育ての親という米国受けのいいネームバリュー、上層部との付き合い方を心得ているあたりの人選で、良くも悪くも栗山ジャパンのような「色」は出なさそうである。日本代表はオリンピックで優勝したし、今後も世界野球を牽引していければいいですね。

 過去2年はDH制とかセ・パ格差に一家言していたが、今年はセのヤクルトが日本一になったおかげか、議論自体が全く盛り上がっておらず、私からも言うことがない…。