先日1stプロモーションムービーが公開された『パワプロクンポケットR』。
「ぶっ球ゲ~!」とか「本格野球も楽しめる!」とか言うセンスは確かにパワポケ。ナレーションで自分から「これ野球ゲームだよな!?」「これは確か野球ゲームだったよなあ!?」とか言ってるのは、ネットのノリにあてられた感じで寒いが…
個人的に『パワポケダッシュ』の移植版を早期購入者特典にしてきたのはウマい。『パワポケダッシュ』と言えば、パワポケシリーズの正式な外伝*1だが、野球のシステムにカード野球を採用している。なので、野球部分の時代的未完成さ、歪さが問題にならない。図鑑として、『パワポケ8』までの歴代サクセスや登場人物の紹介があり、音楽が聴けるのも初心者&再履修者向けである。何より縦読みバッドアルバムが有名な一方で、2万本しか売れておらず実際のプレイヤーが少ないというのも、これを機に実際にプレイしてほしいという気持ちも感じる。プロ野球チームがないので、権利関係にこだわらなくて良いのも幸いで、色々な面でオマケとして最適である。
しかし、最初にこれをやってしまったのはベストすぎてやや不安でもある。仮に『R』に次回作があるとして、じゃあ今度の特典は…?旧シリーズの移植版は少なくともプロ野球をなくさないと無理だろうし、野球部分は今からプレイするにはクセもあって苦しいよなあ。単体でもレベルが高くリメイクが後回しになるDSシリーズの裏サクセスを特典にするとか…まあこれも元が二画面前提なのを直すのが問題になりそうだが…。
そしてゲーム内容もそれなりに明らかになってきた。とりあえずサクセスとミニゲームはそのまんまっぽい。彼女候補も全員いそう。…?あれ、終わり?いやまあサクセスやサイバーバルの雰囲気とか『ダッシュ』が特典になるとかも大きいのだが…。
パワポケも14+α作品あり、その中で色々と進歩していった部分も多い。そういった部分が10年の時を経て残されているのかどうか?その点がゲームをやっていく上での心構えやストレスの軽減として何より重要なはずだ。もちろんPVでアピールするほどのものでもないんだろうが、こういうところが意外とバカにならない。そういうわけで、ここどうなってるのかなと思えるポイントを列挙してみることにした。
メイン編
- グッピー・トツゲキ甲子園
『11』から実装された育成モード。一人の選手を育成していくのではなく、チーム単位で試合を繰り返し育成していくというもの。試合に負けたらファイルごと消滅はシビアだが、途中敗退でも1人の選手登録は可能だったりする。『14』でもシステムは基本的に同じだが、ミニストーリーが付属し甲子園を目指す「トツゲキ甲子園」となった。ストーリー付きの「トツゲキ甲子園」になるかは別としてただ試合していくだけのモードなんだから『R』にも実装されていて良いはずだが…。
- センシュクラッチ
『13』から実装された育成モード。10枚のシートの銀紙をタッチペンで削っていく。銀紙の下には能力があるので、それを獲得していくが、たまにハズレもありハズレが出たら即終了である。あまりゲーム性はないが、シートは過去のサクセスやキャラをテーマにしているものもあり、結構楽しかった。あったらうれしいけど、『R』ではどうなるだろう。
- アレンジチーム
登録した選手でチームを作れるということなので、ベースとなるチームが搭載されているのは確実のはずである。問題はそれがどこまでか?過去のパワポケでは、過去作の主人公所属チーム、その作品のサクセスに登場する主だったチーム、過去作の優秀な敵選手を集めたデビルスターズ、プロ野球チームが搭載されていた。プロ野球チームは今回ないとして、『3』以降の主人公所属チームをフォローするのかは気になるところ。能力はともかく歴代キャラの顔を用意するのは手間だろうし…。
- ペナント・俺のペナント
俺のペナントはサクセス選手の再育成の場でもあったが、今回プロ野球チームがないので、ペナントともども消滅が妥当なのかなあ。
- アルバム要素・パワポケ用語辞典
一応ここで記述。アルバムはまあ当然あるだろうし、プロフィールやサウンドももちろんあるだろう。しかし、今回の『R』は何より10年ぶりのパワポケ最新作。10年越しのファンからすると、単なるリメイクではなく、かつてのファンの知識欲を満たす何かも望みたいのが人情(?)。『7』のプロフィールや『ダッシュ』の図鑑のような、過去作キャラを紹介したり歴代ミュージックが聞けるモードがあっても良い。便宜上ここで用語辞典も扱うが、「そもそもパワポケって何?」を端的に解説できるような仕組みは新参向けにもなるであろうし、用意してほしい。
システム編
- セーブして続ける
かつてのパワポケはサクセスでセーブするには「セーブして終わる」のコマンドしかなく、セーブする→強制的にタイトルに戻される→再びサクセスを選んで再開という超絶手間があった。『10』以降「セーブして続ける」というコマンドが設置され、セーブするのがストレスではなくなり、こまめなセーブが出来るようになった。まあ今更言うことでもないし、こんなん『R』でもあって当然だが…。
- ヒント
『14』ではヒントがあって、今何をすべきか?あるいは彼女攻略への分岐点などを教えてくれる。便利と言えば便利だが、別になくても良い部分。
- ゲームオーバーペナルティの緩和
かつてのパワポケは野球に負けると即ゲームオーバーだったり、野球に勝ってもミニゲームクリアできなければやっぱりゲームオーバーだったり、やたら理不尽(?)だった。後年になるにつれ、ここもだいぶ緩和され、ミニゲームに失敗したら、能力が下がるペナルティはあるものの「やり直す」を選ぶことも出来て即ゲームオーバーにはならなくなったし、『13』では試合に負けても根性ポイントの消費によって試合をやり直すことさえ可能になった。『R』のベースである初代や『2』ではここまで酷な即ゲームオーバー案件があるわけでもないので、ペナルティ緩和はそもそも要らないかもしれないが、今後続けていくのなら、ペナルティ緩和措置は設けておいた方が良いかもしれない。
- フルダケ・ナゲルダケ
フルダケは『12』から、ナゲルダケは『13』から導入。文字通りの機能で、フルダケはボールが来るタイミングでボタンを押すだけでカーソルを合わせてくれて打てる、ただしストライクとボールの見分けはプレイヤー、ナゲルダケはプレイヤーがストライクかボールを指定すれば後は勝手に投げてくれるものである。そんな簡単でいいのか?とも思うが、いいらしい。どうせ公式が野球ゲームはオマケというスタンスを出すのなら、野球部分を簡単にしてしまうのも一手ではあるし、フルダケ・ナゲルダケに拘らず、野球の簡易化は従来通りあっても良い。
- カード野球
『ダッシュ』のものが本家でも『10』~『12』に搭載された。『R』に搭載されてもいいとは思うが、まあ特典の『ダッシュ』やれで終わりですね。
- リアル野球
『13』から導入。リアル等身ではあるが、挙動などは全然練りこまれていないので正しく一発ネタである。カード野球をなくしてまで入れるほどのものとも思えないし、普通にプロスピやれで終わりですね。
- 必殺技野球
『14』で導入された。野球中で必殺技を使い、必ずヒット、必ずストライクなどの効果を発動できる。『14』の表サクセス展開に合わせたものだが、時期的に超次元サッカーの影響はありそう。『14』でシリーズが一時終了してしまったため、その後も受け継がれていくことを企図したものかはわからない。とりあえずなくてもいい気はするが、アレンジチームにフィンチーズが入っている場合、魔球がないと物足りない気もしそう。
…思いついたのはこれくらいだろうか。打ち出しにくいシステム面はともかく、メイン編のグッピーやセンシュクラッチあたりはアナウンスが…と言うか搭載されてないからアナウンスのしようがない、の蓋然性の方が高そうだが。「復活」したシリーズものにはよくあることかもしれないが、かつてのシリーズ後半で試行錯誤していた結晶が何らなかったことにされるのはやはり惜しい。『R』の次回作があるかは現時点では全く何とも言えないが、次回作があるのなら、『R』で拾いきれなかったパワポケ部分を拾ってくれる(ってもうすでに拾わない部分があるかのような物言い)ことを期待したい。