志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

ウルトラマンシリーズにおける展開間隔

 『ギャラクシーファイト』シリーズが動かない。今月7月で前作『運命の衝突』からはまるまる3年となる。『ウルトラマングロス』の配信から数えても2年経つ。この間、「ウルトラマンとアブソリューティアンの戦争の行方」「アーリーベリアルとアーリートレギアの処遇」「レグロスの素性」「レイブラッド星人の復活」といったテーマは置き去りにされ続けている。流石にそろそろ新作の発表があるだろうと思い続けてもう結構経っている。『大いなる陰謀』からは5年も経っているので、普通に考えたらメイン視聴者層の児童も2世代くらい入れ替わってしまっているはずだ。10年くらい経ったら「そういえばあの戦いがどうなったのか知らないな…」という無駄に長い連載漫画の感想のような話が聞こえるかもしれない。

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 とは言え、公式ではないファンが出来るのはただやきもきすることだけだ。それに3年待たされると言っても60年近い歴史があるとそんな大した年数でもないかもしれない。そういうわけで、慰みにこれまでのウルトラマンの歴史の中で展開が空いた期間がどれだけあるのか調べてみることにした。ちなみに最終回後どうなったのかとか、宇宙人が勝ち逃げしたとかそういうのは別に後続作品でフォローされるべき要素ではないので、ここでは含めない。また、空いた期間が1年以上のものに限って見ることにした。

ウルトラマンゼロとベリアルの次回作(『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』~『ウルトラマンゼロTHE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』) 1年

 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』は円谷プロダクションがTYO傘下になってから、初の大規模映像作品となった。それだけにミニチュア特撮ではない、ほぼ全編グリーンバック撮影、ワイヤーアクションを基調にした無重力のバトルなど、全く新しい鮮烈さは今なお忘れられないものがある。この作品では現在でも人気を誇るウルトラマンゼロウルトラマンベリアルが初登場したが、ゼロは主人公と言うよりは最後にいいとこを持っていく新ヒーロー、ベリアルも倒されたものの生存が強く示唆されるラストとなっていて、次回作を強く期待させるものでもあった。
 ところが、その後円谷プロは今度はTYOからフィールズの傘下に移り、色々組織改編もあって『ウルトラ銀河伝説』のスタッフで続けることは不可能になってしまう。それでもなお殺人的なスケジュールで作られたのが『ウルトラマンゼロTHE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』であり、前作に続いてゼロVSベリアルを基軸にしつつ、ゼロが新しい宇宙に旅立って仲間を得るという作品になった。

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復活したベリアルはどこへ行く(『ウルトラゼロファイト』~『ウルトラマンジード』) 4年

 『ウルトラゼロファイト』の最後でウルトラマンベリアルは復活を果たした。そして『ゼロファイト』もベリアルが捲土重来を期するシーンで終わっているので、復活したベリアルの動向というのは注目されていた。しかし、同年から『ウルトラマンギンガ』が始まるとベリアルの存在は宙に浮く。いや、実は『ウルトラマン列伝』・『新ウルトラマン列伝』の総集編でベリアルやその配下であるダークネスファイブの動向は描かれていたのだが、「正史」なのかは微妙な上、最終的に『大怪獣ラッシュ』の宇宙へ行ったものの、そこで落ち着いたのか、追ってきたウルティメイトフォースゼロに倒されたのか(今は亡き『大怪獣ラッシュ』公式サイトでの展開では倒されていた)、よくわからず、つまるところ回収されなかったと見て良い。それがようやく「正史」として触れられたのが『ウルトラマンジード』。何と4年以上も経過していた。それも意図したものと言うより各所から同時多発的に「ベリアルの息子」というアイデアが出てきたゆえなのだから、かなり偶然性がある。結果的に「ベリアルの息子」によってベリアルの復讐の物語にはエンドマークが打たれ、4年引っ張っただけの甲斐はあった。
 なお、『ゼロファイト』でも生き残っていたダークネスファイブについては『ジード』最終回でチラッと映ったくらいでその後どうなったのかは今なおわからない。坂本監督はオメガアーマゲドンで戦死したという想定をしている一方で、未だに活動を続けているという関係者もおり、公式に決まっているわけではないようなので、現在まで12年以上回収されていないと言えるかもしれない。

宙に浮いたウルトラマンネオス(『ウルトラマンネオスパイロット版~OV版) 5年

 90年代中盤TVシリーズ復活に向けて企画され、パイロットフィルムが作られた『ウルトラマンネオス』だったが、何やかんや企画の変転によって復活TVシリーズは96年の『ウルトラマンティガ』に結実した。そのため、せっかく作られたネオスとセブン21は自前の映像がパイロット版だけのまま捨て置かれることになった。そうした中、1999年にビデオシリーズとして展開されてきた平成ウルトラセブンが最終章を終えて一息つくことになり、セブンに代わってネオスのシリーズが翌年に作られることになった。5年も間隔が空いたので、ネオスもセブン21もデザインが多少変更され、キャラについてはパイロット版当時と逆転した(『超闘士激伝』を見ると如実にわかるが、パイロット版時はネオスが冷静沈着なエリート、セブン21がやんちゃ系だった)のも御愛嬌。ちなみに『ネオス』最終回でザム星人の復活や共存が仄めかされたが、その後どうなったのかは不明。これこそその後25年何も触れず放って置かれている(最終回は結局ゾフィーが何も間に合ってなかったりかなりぶっつけではあった)。

ウルトラマンダイナはどうなったのか?(『ウルトラマンダイナ』51話~『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』) 11年

 私はウルトラシリーズで言うと平成三部作世代になるわけだが、今もって『ダイナ』の最終回は衝撃だった。グランスフィアを倒したダイナはそのまま脱出が叶わずワームホールに飲み込まれていき、その後目覚めたアスカは異空間にいて行方不明になった父親とともに先へ飛んでいく…残されたスーパーGUTSの隊員たちは「俺たちもウルトラの星を目指そう」と明るく終わる。えっ???EDの後は新番組『ウルトラマンガイア』の予告が始まり、『ダイナ』は終わったことが明らかになったが…いやちょっと待て!ダイナはどうなったのこれ!?正直今見直しても何が何だかわからないのだから当時は猶更だ。ダイナ(アスカ)は死んだのか、それとも別な場所へ飛ばされたのか、飛ばされたとしてその後どう生きるのか…。全く説明されなかったし、そのままいい感じで終わられても困惑するだけだった。
 そして『ティガ』から続く世界観も『ダイナ』で一区切りということで、その後直接ダイナのその後が触れられることもなかった。『超時空の大決戦』では赤い球による召喚、OVでは時間設定が最終回前、『超ウルトラ8兄弟』ではパラレルワールドと、ダイナの登場はあってもTVシリーズのその後についてはノータッチが続いた。言わばTVシリーズのダイナが再登場を果たしたのは何と『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』。一見関係なさそうな大怪獣バトルの映画+光の国舞台の作品でその後が触れられることになったのだから驚きだ。そもそも最初はこの映画におけるダイナの役回りはウルトラマンヒカリだったのだが、当時ブレイクしていたアスカ役のつるの剛士の出演を織り込んだ結果、TVシリーズ後のダイナがきっちりハマったという経緯がある。何はともあれ、ダイナは生きていて、旅を続けていることがようやくわかったのだ。この効果は大きく『ウルトラマンサーガ』への出演にも繋がったし、近年でも『ウルトラマンデッカー』に登場し、能力が盛られていった、その全ての起点は『ウルトラ銀河伝説』にあると言っても過言ではないリスタートとなった。

ウルトラセブンは生きているのか?(『ウルトラマンレオ』40話~『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』) 32年

 『ウルトラマンレオ』40話は今なお伝説的な話で、何とシリーズ途中で防衛チームのMACが壊滅するのである。前後のシリーズでも防衛チームが最初からなかったり、脇役だったりするシリーズはあるが、第1話や最終回でもないのに壊滅してしまうのは未だに『レオ』以外にはない。背景には予算事情などがあったとされるが、壊滅ということなので、主人公のゲン以外のMAC隊員は全員殉職してしまう(それどころかトオル以外のゲンの居候先の人間も全員死亡していた。死亡者発表シーンはシリーズでも随一のトラウマシーン)。隊長であるダン(ウルトラセブン)も例外ではなくMACステーションごとシルバーブルーメに飲み込まれ消息不明になってしまった。その後、『レオ』最終回でセブンの出番は一応あったものの、夢の中だったり声が聞こえるという登場の仕方で、本人なのかはやや曖昧だった。
 結局、ダン(セブン)はどうなったのか?『レオ』でTVシリーズが一旦終了したことで、この問題は長らく放置されることになった。世界観を継いだ『80』では妄想ウルトラセブンが登場したが、触れられたのはあのセブンは本物ではないということだけで、本物がどうしているのかはノータッチ。そのまままたTVシリーズが絶え、平成ウルトラセブンでセブンの展開がまた始まるも、平成セブンは第2期ウルトラシリーズを経ない『ウルトラセブン』だけの続編ということになったので、『レオ』以降の時空のセブンについてはわからないままだった。もっとも、昭和ウルトラシリーズの続編が作られない上、イベントや平成セブンのようにキャラクターとしてのウルトラセブンは健在だったので、それで全く問題はなかったわけだ。
 そういうわけで、『レオ』後のセブンについて触れられたのは昭和シリーズの正統続編である『ウルトラマンメビウス』、具体的には『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』まで待たされることになった。ただし、『メビウス』劇中でどうやって生存したのかは触れられることはなく、すでに健在な姿として登場し、「シルバーブルーメに襲われた後はウルトラの母に助けられていた」という設定が追加されたのみであった(『メビウス』46話ではMAC壊滅を意識したであろう台詞はある)。まあ30年以上も空いてると今更フィーチャーもできないし、そうなるわな…。しかして、ようやく昭和ウルトラ世界観のウルトラセブンも復活したわけで、数年後のウルトラマンゼロもこの復活がなければ登場しなかったことを思うと、画期的…だったのかもしれない。

ウルトラセブンは生きているのか?2(「地球星人の大地」~「失われた記憶」) 4年

 あれ?またセブン?ところがどっこい今度は平成セブンである。「地球星人の大地」ラストでセブンは大爆発に巻き込まれて姿を消したのだ。ウルトラギャラクシー時空でもセブンは生死不明だったが、平成セブン時空でもセブンは生死不明ということでつくづく生死不明に縁がある男である。結局、平成セブンの次の展開はセブン誕生30周年3部作まで待つことになり、その第1作「失われた記憶」では記憶を失い市井の人間として暮らすダンとしてセブンは復活を果たした(作中ラストで記憶が戻る)。今から思うと続編のアテもないのにセブンを生死不明で終わらせるなと思うが、原典最終回オマージュか?

まとめにかえて

 挙げられたのは6例のみとなった。セブンの生死が32年放置されてたとかいうのは流石に気にするところかという気もするが、現在ウルトラマンシリーズは59年の歴史があるので、昭和シリーズのセブンはシリーズの歴史の半分以上生死不明だったことになってなかなかすごい。
 また、改めて感じるのはその後のシリーズで回収されるべき…とこちらで思っている要素もそれが回収されるかどうかはかなり偶然性に左右されるということだ。『ウルトラマンジード』も平成セブンの後を受けて『ウルトラマンネオス』が作られたのも『ウルトラ銀河伝説』でのダイナ登場もなるべくしてなったわけでは全くない。その一方で、そこで要素が回収されたことが次の展開への大きなきっかけになる事例も多い。こういう偶然とそこからシリーズが広がっていく妙こそが長期シリーズを追いかける醍醐味とも言えるだろう。そう考えれば、ギャラクシーファイトシリーズの新作が動かず、要素が放置されているのも今後シリーズが広がっていくためのパワーを貯めているとポジティブに見てもいいのかもしれない(いや…現状でも中途半端なのは間違いないので早く何とかしてくださいよ)。