志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

「サラブレッドホースショー ザ・セカンドキャリア」に行ってきた!

 競走馬は経済動物だ。経済の歯車を動かすための家畜であり、その役割を果たせなくなった時に存在価値を失う動物なのである。しかしながら、人間そう単純に割り切れるものではない。特に活躍した競走馬はアイドルでありスターだ。走れなくなったら、あるいは親としての役割が終わってしまったら「死」を賜る…それがどれだけ残酷なことか、人間であれば誰もが心を痛めるはずだ。もっともそういった感情面だけでは競走馬の命を救えるものではない。大型動物の馬は自然に生活できるものではなく、巨大な筋肉を支える食料、世話をする人間と多大なコストがかかる。競走馬としての価値を失った馬であっても結局何らかの形で食い扶持を稼ぐことが求められる。そうした競走馬の「セカンドキャリア」の一つに馬術競技馬という道がある。
 …と述べてみたものの、そんな壮大な動機があるわけではなく、ほぼほぼスペシャルトークショーに釣られてラクエドラゴンホースパーク・伊香立公園まで行ってきたのだった。29日は祝日で空いていたし、福永祐一(調教師)と川田将雅(騎手)のネット動画でよく見た掛け合いぶり、正月に園田競馬場行きがおじゃんになって拝めなかった亜咲花、最近良さがわかってきた紫月杏朱彩さん、ウマ娘ライブでの存在感を今でも思い出せる佐藤榛夏さんと、生で見たい人たちが集まっていたのが大きい。さらにこんなことでもない限り遠く堅田の乗馬クラブや馬術競技鑑賞みたいなチャンスはなかなかないわけだし…。出不精がイベントに行くにはこれくらいの引きがなければなあと行くことに決めたのだった。
 堅田駅からは有料シャトルバスが出ているとのことなのでありがたくそれを利用。JR湖西線はこれまで片手で足りるくらいしか使ったことがないし、堅田で降りるのも初めてだったが、意外とすんなり行けた。ほぼ初体験なので新鮮な分、時間を感じなかったのかもしれない。そうして8時半頃にラクエドラゴンホースパークに到着。ちなみに地図ではホースパークとトークショー会場がいかにも隣接しているように見えるが、ホースパークは坂の上にあるし、交通規制でぐるっと遠回りになっていて、しかもスタンプラリーでは行き来を強いられるのもあってそれなりに歩く。まあこれくらいの運動はしろよということかもしれない。

入口付近でお客さんの相手をしていた(食べるか適当に走るかしてただけ)ポニーちゃん。ハート形の刈り跡がラブリー

 ちなみに到着した頃には曳き馬体験などはすでに締め切っていた。早い…!


グルメ

「KAMEYAPAN」のラーメンサンド(550円)。こんなん合うのかよだったがチャーシューとパンがめっちゃ合う!逆に何でこれがメジャーじゃないんだ?
「ラメリストア」のあいがけカレー(1100円)。カレーは美味かったが米の量がね…

 正直あいがけカレーは量が少なかったので、近江米のおにぎり(200円~)と鮎の塩焼き(750円)を組み合わせた方が満足感は高かったな…。

馬術競技

かなり殺風景。車が邪魔だな~と思っていたら採点官が乗っているらしい

 馬術競技を観戦するのは初めてで、29日にやっていたのは馬場馬術と言われるもの。トークショーで川田騎手は馬がやるダンスのようなものと説明していたが…正直言って見てて興が乗るものではなかった。30日の障害馬術ならもう少し動きがあったと思うのだが、馬場馬術は決まったコートで決まった動きを披露するだけであり、ダンスと言えるほどのものでもない。決められた通りに動いたり、立ち止まったり、速度を上げたり操縦性を競っているのは理解できるが、それがすんなりと言っても「すごい」「美しい」「綺麗だ」まで昇華されきらないというか…。逆にあからさまにルートを外れた斜行をしたり、ラチに足が接触したりといった「失敗」の方が「やらかしとる!」と反応できるくらいだ。レベルが上がっていけば「すごい」と素朴に思えるのだろうか…?
 実況も頑張っていたが、やはり初見だと「見方」がわからないところはあるので、パンフレットなりでどういう動きを披露するのかくらいは事前説明してほしかった。馬が驚くことへの配慮、かどうかは知らないが、競技中に流れるBGMも小さいし、競技とは合っていないように感じた。もう少し音楽でも盛り上げを作れれば「わかりやすい」んじゃないかとか色々考えさせられた。それとか馬術後の足跡がアートになっていくとか…。
 ちなみに今回の目玉の一つであるブラストワンピースだが、遠目に見ても本当にデカかったし、動きもパワフルだった。もうこの時点で繊細さが求められる馬術競技なんて出来るのかよ?だったが、意外や意外、パワフルな動きはそのままに全然ミスをしない。あれだけ動いていたらラチと接触するのではないか、止まるところで行き過ぎるのではないか、全くそんなことはなく、キビキビと動き、その精密さにレベルの高さを感じた。惜しくも結果は2位だったが、馬術競技がアピールする「操縦性の良さ」を一番感じたのはブラストワンピースだった。

トークショー

 トークショー会場はホースパークからやや離れていて、チケットの番号順に入場できる仕組み。実は整理番号が50番台でかなり早かったのだが、入場システムを事前に知らなかったので、整理番号350番台が入場案内している時に入ったのでそこは若干損している。まあそれでも全体的には前の方に陣取れてかろうじて壇上の人たちも直接見られたので良かったが。
 全体構成としては1時間のうち最初の15分は川田将雅ジョッキーと福永祐一調教師が登壇して自己紹介と馬術競技の簡単な解説(ここは概ね台本通り)。その後にウマ娘声優3人、エスポワールシチー役の亜咲花、ブラストワンピース役の紫月杏朱彩さん、シーザリオ役の佐藤榛夏さん(ちなみにこの記事で敬称略かどうかはかなりノリです)が登壇し、自己紹介と元の馬の話を交えながらさらに馬術競技のディープな話をしていき、最後の15分は川田と福永のイチャイチャ悪口合戦だった(最後は台本じゃないらしい…)。全体的に馬術競技とは何なのか、普通の競争馬とはどう違うのか、向き不向きはあるのか、調教の手法などなど、わかりやすさから深まった話まで1時間とは思えない密度だった(だいたい亜咲花のおかげ)。
 そのまま書くとダラダラしそうなので出演者ごとに感想を書いていく。

  • 福永&川田

 福永調教師はウマ娘声優と共演したこともありコメントをくれたこともあり温和なおっちゃんというイメージだが、川田はウマ娘を知ってはいるもののそれ以上の情報がなく、本来はクールで真面目かつ気性難という複合的なタイプの人物だ(と見ていた。本当にそうなのかはそりゃ実際に会ってないんだから知らん)。そうなので実際にどう声優さんたちと絡んでいけるのか不安視していたのだが…「来る者は拒まず」といった姿勢がグイグイ来る亜咲花とは相性が良く、トークショー中盤くらいには川田と亜咲花の間だけでディープ競馬空間が発生していて全然大丈夫だった。
 もっとも終盤は福永と川田でイチャイチャ悪口合戦だったので双方ともにだいぶキャラ崩壊(?)していた。でもそういう本音の方が面白いですからね。福永が若手に意図を伝えきらなかったり、それどころか他の騎手に嘘っぱちの馬の宥め方を教えておいて「そういえばあれ嘘だって言うの忘れてたわ笑」はだいぶ鬼畜エピソードだが、裏を返せばそれだけ勝負に真剣というか、他人を利するようなことを共有していたらやっていけないという実力社会を覗き見た気もする。

  • 亜咲花

 亜咲花といえば美女アニソンシンガーでありながら、麻雀や競馬にもお熱で、特にウマ娘のファンサイドにいたところから努力して声優になって、さらにウマ娘声優の座を掴んだ女傑だが…。とにかく今回はすごかった。元々すごい人だとは思っていたが、それ以上に何重にもすごさということが伝わった。司会が競走馬エスポワールシチーが死んでいるかのような物言いをした時のフォローの仕方、馬術競技解説の際に率先してサポートに回る姿、競馬サイドへの的確かつディープな質問とそれ自体が醸し出すおかしみ、最後の〆の淀みない優等生的まとめコメント…気遣いとか賢さとかもはやそれだけではない、全てが人間としての格の高さを感じる。これで帰国子女で英語もペラペラなんでしょ。別にそれが主旨でウマ娘声優を決めたわけではないだろうが、ここまでのマルチタレントぶりを見せられるとそりゃコンテンツ的に絶対に手元に確保しておきたい人物だろうなと実感できた。

  • 紫月杏朱彩

 笑顔が素敵なので最近気になってる紫月さんだが、今回はわりと聞き役。ウマ娘ブラストワンピースの紹介も「ヒトが好き」以上に弾まなかったが、未実装なのでまだ言えない部分があるらしい(当然だが個別キャラストーリーの収録はもう終わっているんだろうな)。まあ今回はいるだけでうれしい人だったので、生で見られて良かったです。

  • 佐藤榛夏

 シーザリオのオン/オフモードと素の佐藤榛夏の3モード形式は今回も健在。福永調教師とは共演済なのもありシーザリオの話題で盛り上がれたり、馬術競技への質問もちゃんとしていたりして、しっかり者といったイメージ。佐藤さんは実は結構見る機会自体はあり、今回は仲の良い同期組ではなかったけれども、キャストのママ的ポジションとしてどっしりいたイメージ。

まとめ

スタンプラリーはしなくてもいいかなと思ったけどどうせうろうろするのならと気付いたら全部揃っていた

 端的に言うと面白かった。わざわざ堅田まで足を運んだ意味は十二分にあった。馬術競技自体のしょっぱさはあったが、トークショーのおかげでどのように成り立っているのか、どういうものなのか、それらに加えて競技への真摯さ、競技があることによって救われる馬、そうした意義が強く感じられた。競馬人やウマ娘にもなっている引退馬、それに亜咲花を確保できたのも含めて、引退馬の行方や馬術競技への造詣を深められたのだから企画の勝利だろう。今後もこういう新しい入口の機会があるとうれしいものだ。