志末与志著『怪獣宇宙MONSTER SPACE』

怪獣monsterのコンテンツを中心に興味の赴くままに色々と綴っていくブログです。

EXPO 2025 大阪・関西万博に行ってきた!

 2025年の国際博覧会は大阪で開かれる―これを逃す手はないとは思っていた。世界には約200の国・地域があるが、それらの対外プロパガンダが一斉に出揃う機会というのは貴重だ。今後全く縁のないであろう国の顔が見られるのもこのチャンスを逃せば人生で二度とないかもしれない。大阪府民なので交通費もほぼ度外視できるわけで、どこかで行ってみる必要は感じていた。
 一方で、実際問題としてどう運営できているのかには不安がなかったわけではない。そのためすぐに行くというわけにはならず様子見をしていたのだが、6月、7月が去ってしまうと、流石に期間に終わりが見えてくる。というわけで、8月中旬という暑い時期に行くことになってしまった。もっともその前に天気が悪かったこともあって気温が若干下がっており、曇り空で持ちこたえてくれればという目論見もあったのだが、まあまあかな…。

 後学のため(?)に最初に会場の感じはまとめておきます。

  • 暑さ対策は一応されている…野外でもどこからともなく冷風が吹いてくるのでマシではある。ただ、思ったよりはマシという域でしかないので暑さ対策は用意しておくべき
  • 給水ポイントは余裕がある…飲料の自販機が売切れたり、給水ポイントにも行列がということはなかった(待たされても数人くらいなので待ち時間は1分程度)。ちゃんと水分補給を意識していれば、手持ちの飲み物がなくなっても脱水することはないと思う
  • ベンチも基本は座れる、が野外…休憩所やベンチは場所固定とはいえ席が埋め尽くされるほどではない。ただ、全部野外なので日陰になっている部分もあるとはいえ暑さ対策はあった方がいい
  • 日焼け止めを塗れ…普通に日焼けして痛いです
  • トイレ…やや混むこともあるけど普通の範疇。例の出入口が別なトイレもそんな驚くようなことはなかった(入ってるボタンを押し忘れてる人は結構いたけど…)

 「どこからか冷風が吹いてくる」「疲れたら座るところはある」「喉が渇いたら水が飲める」この3点は抑えられてるので、熱中症対策はされていると言っていいと思う。もちろん野外という根本的な辛さは解消されないが、まあ休む用の冷房が効いた建物を作れば解決するかというと恐らくそうでもないのでモアベターとは評価したい。


 さて、チケットを取るのもダラダラしていたので8月13日と決めたはいいが、9時入場チケットは取れず、11時入場、しかも西ゲートなので夢洲駅から歩いて移動と最初から無駄に時間を使ってしまった。すでにだいぶ込み合っていたが、まあ最初の関門というか、これを乗り越えなければ中のイベントも楽しむなんて土台無理なので堪える。

何だかんだ言われつつモニュメントがあるといいですね(そういえばミャクミャク撮るの忘れてた…)
ベルギー館

 要予約の館は一つも取れず、その上でここは見たいなあと思ってたのがベルギー館。別に大した興味があるわけじゃないのだが、最近エルキュール・ポアロシリーズを読んでいたので、その故郷は何を見せてくるのかなというところ。待ち時間はだいたい40分くらい。内容は健康志向で、プレーンな人体模型に映像効果を組み合わせ、ベルギーが健康を提供する仕組みを有意に表現していた。文字で著すのは難しいが、人体に四季や植物のモチーフが重なってその構造を明らかにしようとするのはシンプルに見応えがあった。

ポテト(1000円)

 原作ではなく実写シリーズの『名探偵ポワロ』の方だが、イギリス料理を嫌うポワロがフィッシュ・アンド・チップスのポテトだけ仕方なく摘まむシーンがあった。ベルギーと言えばワッフルだが、ワッフルなんて正直また食べる機会はいくらでもあるだろうので、ポテトを選択。なるほど、確かに美味い。ちゃんとジャガイモから作っている味がする。ただ、個人的にはケンタッキーのフライドポテトが美味いと思っていて、それと比べるとちょっと上といったところで、ベルギーならではの美味しさを感じ取れたかは微妙だ。

コモンズD

 自前のパビリオンを用意できなかった国が集まるのがコモンズ館。だが、ぶっちゃけるとここが一番楽しみだった。一気に色んな国の顔を見られるからだ。塩を見せてきたパキスタンアイデンティティの確保が切実なパレスチナ、「アミモノって日本語じゃん」と思ったら本当に日本統治時代由来でしかも軍事の爪痕を見せてくる(本来はヴェルサイユ条約で非軍事化を義務付けられたのだがここらへんを戦場にした国があるらしい…)マーシャル諸島、世界征服を世界平和のためとか糊塗してくるモンゴル(でもモンゴル・フランス間の外交文書のレプリカは興味深い)あたりが面白かった。

コモンズE

 鎧や侍の漫画イラスト展示館。ぶっちゃけ日本人的には全然新鮮味も面白さもなかったが、海外からのお客さんには受けているのだろうか。

イル・フティーラ(1800円)
中はツナ、オリーヴ、ケッパーを選択

 上はマルタ館外で売っていたもの。味はまあまあだったがこれで1800円なことにたまげる。中のカフェだと2000円ちょっとでちゃんとした料理を食べられたのでそっちでも良かったかも。

トルクメニスタン

 トルクメニスタン館も狙っていたパビリオンだ。トルクメニスタン独裁国家であり、独裁者のプロパガンダを大いに看取できるということだったので。行列は1時間待ちと書いてあったが、そこまでの列には見えず、実際30分で入れた。入るといきなり大統領のデカい肖像があって気分も上がり、プロパガンダムービーを見せられる。「地上の楽園が見たいならトルクメニスタンに来てください」ってマジで言ってるからすごいよ、日本からはそんな簡単に行ける国じゃないのだが。そこから2階に移動すると、日本語の教科書やら犬やらが展示されているが、正直日本語の説明が全くないので何を見せたいのかはよくわからない。ただ、犬と馬が好きな国というのはわかった。終わってみれば言うほどヤバい国な気もせず、パビリオンのカッコいい外観や犬・馬推しな様子からはそれなりに好感さえある。個人的にもっと大統領の個人崇拝推しかと思ってたので…。

バーレーン

 木造臭の急造っぽさがすごいパビリオン。実際、木造に布で覆っているような形式なので空調が効き切っていない独特な構造。ここも待ち時間は30分くらい。バーレーンというのも考えると中東の中でもよく知らない国だったが、島国だったのか(そんなレベル)。木造舟が実際に触れたり金属や真珠の臭いを嗅げたり、実物から五感に訴える感じは、映像効果でカッコよくとはまた違う意味で実態を感じて良かった。カフェに寄っても良いかなと思ったけど、軽食レベルで優に3000円くらいとってくるので諦めました…。

大屋根リング

 ここからはリングの上を通って移動。いやあ本当に1周2キロしかないのか?ってくらい迫力がある。長いエスカレーターで上に昇るのはワクワクするし、単純なので高いところからの眺めがいいとうれしくなってしまう。リング上だと確固たる地面に思えるが、ふと下を覗くと木造構造しか見えず、エレベーターやエスカレーターで繋がっているのに不調和さえ覚えるのと同時に、これ崩れたりしないよなと怖くなりもする。何と言うか、何の変哲もないはずなのに刺激的な建造物だ。こんなに楽しいものだとは思ってなかったな…。それこそ時間があって外が涼しかったら屋根の草むらでいつまでも寝転がってもいいくらいだ。

マレーシア

 地方ごとの料理の食品サンプルから始まってウルトラマンゴジラも参戦するゲームコンテンツに最後はアニメと、狙ってかたまたまか日本人受け間違いなし祭りで結構楽しめた。

ペルー

 入場制限までしていた割には中身はムービーと簡単な展示だけで独立パビリオンにしては小ぢんまりしていた。もっとも露店で食べるにはパビリオンを経由する必要があるので、入場制限までしていたのはそっちのが大きいかもしれない。

名前忘れちゃった…

 ここまで肉抜きだったこともあって鶏肉が普通に美味い!パンをスープに付けて食べるのは昔給食でこういう食べ方をしていたのを思い出す懐かしい感じが。

コモンズA

 基本感想はコモンズDと同じ。パラオが日本統治時代の地図や文書をナチュラルに出していて、マーシャル諸島とは違って親日に寄っているのを感じる…。ところで、コモンズ館は近い国で隣り合わせにしない縛りでもあるのかもしれないが、結局ここに集まるのはアフリカやオセアニア中南米の国が多いので、アフリカ→島嶼国→アフリカ→…のように交互に並んでるだけになってしまって、これなら地域ごとにまとめた方がよっぽどか共通点と相違点が見えやすいのではと思わないでもない。

夜の地球

 どういうこと?と思ったら輪島塗で夜の地球の発光を再現したデカい地球儀を作る試みだった。黒に金で塗ってくるのと工芸とが調和しているし、大きさもあるのでわかりやすく技術を感じられる。

トルコ

 建物がデカい割に何かあるわけでもなく、『仮面ライダードライブ』の蛮野みたいなデカい顔が色んな言語でトルコについて説明してくれる。その中にトルコの偉大な16の国家みたいなのがしれっと入ってるのがトルコ民族のプロパガンダを感じてクスッとする。最新技術とプロパガンダの融合を見せてくれたので地味に満足度は高い。

タイ

 健康世界一!と自己宣伝していてホントかよと思ったが、まあホント…なのかな?健康志向なのはベルギー館もそうだったが、あちらさんが抽象的にハイレベル映像で攻めていたのに比べると、ピラティス!料理!と馴染みのある具体さで攻めてきたのはアジア人的には共感できる。ところで、最初の映像パートはなぜか三角形に突き出た両面に映す形式になっていたが、正直見にくいだけだと思いました。夜もすでに回っていたので料理提供部分はすでに店じまいしていたのはもったいなかったかも。

インド(バーラト)

 夜も遅かったのですっと流れるように見て終わってしまった。インドじゃないけど、タイ→インド移動中外で「ヨヤクナシ!」とか言いつつ陽気に踊っているステージがあってさもインドかと思いきやインドネシアであった。

サモサ(700円)

 最後のおやつとして1つだけ買ってみたが、1つだけで正解だった。中に味がぎっしり詰まっていて、物理的なボリューム以上に多幸感を覚える。ドライフルーツがインドのワンパクさに落ち着きを与えていてお腹がちょうど納得できる。

帰るまでが万博

 8時50分頃に東ゲートから会場を後にしたが、当然のように大行列。大群衆なのに意外とサクサク進むものの、駅までの直線距離を行くわけではなく蛇行を繰り返すので何だかんだ時間はかかってしまう。ようやく駅を目前にしたのが9時30分過ぎだったが、何とここで行列の進行がストップ。大阪メトロが止まってしまったのだ。この時点でスマホの充電は20%台だったためネット情報も見ず、10時半ごろまでアナウンスもなかったため、なぜか列の進行が止まったまま情報も得られず立ち往生することになった。公共交通機関での夢洲への出入りは大阪メトロ一本だけというのは不安視されていたが、実際にトラブルで止まってしまうとどうしようもなくなる。バスやタクシーが奮発されているのはわかったが、数万人以上を輸送するにはハコが足りなさすぎる。会場が解放されてオールナイト万博を楽しんだ人もいたようだが、あいにく翌14日も用事があったので、会場で夜を明かすわけにも行かない(そもそも夜を徹するのも無理だしまともに寝られるわけもない)。11時過ぎにようやくコスモスクエア駅まで開通し、夢洲からの脱出は可能になったが中央線は止まったままで、結局南をぐるっと回って梅田に辿り着いたのが1時…。メトロこそ動いていたが、JRも阪急も動いておらず結局タクシーを拾って帰宅することになってしまった。結局帰り着いたのは午前2時過ぎ…ハイになっていたのかあるいは帰宅への使命感か、意外と体も意識も冴えていた。しかし、辛かったのは水分補給だ。万博内にいるぶんには問題なかったが、それは11時くらいの帰宅を見込んで体内水分は持つと睨んでのこと。そこから1時間半以上野外で待ちぼうけを食らい、さらに帰宅に3時間かかる想定などしていないわけで、近くに自販機も給水ポイントもない状態はかなりきつい。また、スマホの充電も切れかけており、現金は数千円しか持ってきていなかった。予想外の出費となるとお金を払えない危険もあるわけでその点も迂闊だった。
 やはり夢洲からの移動手段がメトロ一本しかないのはだいぶ危うい。帰宅タイミングで不通になってしまうと被害は甚大だ。バスやタクシーでの脱出にも限界があるわけでせめて夢舞大橋での徒歩脱出を解禁してくれていれば、それとて決して楽ではないが公共交通機関を乗り継いだ帰宅も可能だったはずだった。会期も残り少ないし、トラブルがないに越したことはないが今後もこんな事件が起きてしまうのなら改善策はちゃんとあってほしい。

まとめ

 総じて見るとイベントとしては悪くないどころかだいぶワクワクした。今や市井に外国人の姿は珍しくないが、ここ10年でよく見るようになったのは外見は日本人と変わらないながら口から出てくるのが中国語な人種が多かった。それに比べると、万博ではアフリカ系やアジア系、中東系の人たちもよく見たし、彼らが日本語を全く喋らなかったり、逆にすらすらと日本語を喋ったり、どちらも新鮮だった。そうそう、日本語と言えばどのパビリオンでも結構面白かった。日本で行われる万博なのだからそこで使われる日本語も一見して変なものはないのだが、それだけに「単語も文法も合ってるがそういう言い回しはしないのではないか」という日本語遣いをふんだんに見ることができた。日本語理解が深く真剣だからこそ、逆に「こうは言わないだろ」が極まっていく矛盾。これも万博ならではだろう。
 日本と世界が自己顕示的に交わる空間が出現しているのはそれだけで刺激的で楽しかった!と同時に回れたパビリオンはごく一部に留まるし、事前抽選のパビリオンは1館も見られていない。今回花火こそチラッと見たものの、イベント系は全然フォローできてないし…。1日だけではほんのさわりしか体感できていないわけでこれだけで終わってしまうのは至極もったいないのではなかろうか。せっかく近くでやっていることだし、2回目の来訪も見込みたい。そう思っていたのだったが…
 万博からの脱出中は気分的にもハイで翌14日も意外に疲れも眠気もなく驚いたものだったが、15日は午前中に健康診断で朝ごはんを抜き、午後は園田競馬を見に行った結果、16日に発病した。わかりやすく風邪で17日まで寝込み、本調子に戻るのには1週間かけてしまった。コロナ禍以来、マスク・手洗い・うがいは徹底しており、1日単位で多少風邪っぽいことはあるものの、何日も寝込むタイプの風邪はこれまで1回しか罹っていない(その1回も明らかに重い風邪の父と一緒に鍋を囲んだ直後なので、予防の有効性とは全く関係ない)。そうした中で夏に似つかわしくなく風邪を引いたのはこれはもう万博とその後数日の動向で途方もない疲労が溜まり、体力が弱まっていたからと見て良いだろう。
 何にせよ、予想外のタクシー代(1万2000円くらいかかってる)と風邪を引いて身動きが取れなかったタイムラグによって、万博2回目という選択肢は消滅してしまった。実に惜しいものの、客を逃したのは万博の脆弱な運営体制が悪いので先方が悪いと思うてもろて。結論としては1日で済ませるならちゃんと予定を何パターンか立てようということでしょうか。