デジモンリアライズはデジモンのスマートフォン向けアプリゲームだった。平成30年(2018)6月から配信され、当初はデジモンリンクスと併存したが令和元年(2019)7月にリンクスが終了すると、その後はデジモンのソシャゲ展開を一手に引き受けていたが、令和4年(2022)4月21日に展開を終えた。4年弱は続いたので、リンクスの3年ちょっとよりは長生きで、まあソシャゲとしての寿命ってこんなもんかなとは思う展開期間ではあった。
ほぼストーリーがなかったリンクスとは違い、リアライズは当初から人間のキャラクターや声優が設定され、彼らやデジモンが織りなすストーリーを推していく構成になっていた。このストーリー面も第1章はかなり怪しげな話運びだったものの、第2章からはグッと改善され、リアライズ発の新デジモンや新規ポリゴンも増えていくなど、充実したものになっていった。そうであるだけでここでサービス終了というのは当初の観測とは全然異なってだいぶ惜しい気持ちが強い。ロイヤルナイツや三大天使、四聖獣や十二神将といったややこしげな組織系のデジモンたちを格落ちさせることなく有意に親しみを持てる形で描いていたのはデジモン史上画期かつ珠玉で、次にここまでやれる展開が見られるのはだいぶ遠いかもしれない。ソシャゲの宿命であるが、サービスが停止されてしまったらもはや確認手段もなく、基本的に口伝のみの存在になってしまうし。
さてさて、リンクスの時も記事を書いたが、こうなってしまうとリアライズがデジモンというコンテンツに遺産として残せるのは新規ポリゴンということになるだろう。例えば、今後のデジモンゲームやアニメにエリスモンが登場し、リアライズをプレイしていた者はニヤリとするような言動を取ってくれるかもしれない。ゲームにおいてこういうことを期待するためにも、そのデジモンをすぐにゲームに出せるかという点は重要だ。すでにCGポリゴンが存在していれば、そのハードルはグッと下がるのだ。
ただし、リアライズはポリゴン鑑賞という意味ではそれに向く撮影モードなどはなかったので、この記事ではとりあえず文字情報と感想を示しておくことにする。また、既存デジモンの単なる色変えも除いておく。
A デジモンリアライズ初出のデジモンたち
- プスモン
- プスリモン
- エリスモン
- フィルモン
- スティフィルモン
- ラセンモン
- ラセンモン激昂モード
御存知リアライズの主人公デジモン。御丁寧にも幼年期から系譜を引っ提げているいつものパターンである。もっとも作中でのエリスモンはスパイラル産の疑似デジモン的な存在なので、幼年期から独自の系譜なのも理には叶っているのかもしれない。それはそれとして、デジモン図鑑設定だと単なるハリネズミ型デジモンでしかないので、今後登場する時は普通のデジモンになっているのかもしれない。
デジモンの歴代主役は爬虫類・竜系が多いので哺乳類・獣系なのはちょっと捻ってはいるが、歴代でもドルモンやガムドラモンもいるので斬新というわけでもない微妙な位置。出自がただのデジモンではないというのもギルモンやドルモンがいるのでこれまた特段珍しくもない。もっとも主役として冒険できるのはここまでなのかもしれないが…。
フィルモンやスティフィルモンも単なる成長型の進化で正直面白味は全くない。ラセンモンは格闘・獣人型究極体なので竜や騎士になる歴代よりは差別化しているかもしれない。
ストーリー上のエリスモンは無知無垢タイプのキャラ付けで進化するたびに大人びていくが、第2章ではエリスモン状態でアイデアや和解の道を示したりと成長を感じる場面も多く、主人公デジモンとしての印象は残せたのではないだろうか。
- ガイオウモン厳刀ノ型
リアライズではライバルポジションの拓巳のパートナーはドルモンで、ドルモン→ドルガモン→ドルグレモンと来て究極体がドルゴラモンになるのかアルファモンになるのかは注目されていた。しかし、リアライズは驚きの選択をする。何とドルモンはガイオウモンに進化したのである。ガイオウモンと言えば、ウォーグレイモンの亜種にあたるデジモンで確かにXデジモンではあるが、ドルモンとの関わりは皆無で、ガイオウモンに進化することが拓巳のキャラ付けと絡むわけでも、進化に面白さが出たわけでもない。当然のようにファンの反応も当惑が多く、ドルモンにとっては1章で究極進化してしまったことが後々まで響くことになった(他の主役らは2章で独自の究極体を獲得した)。
流石にこれはまずかろうと思ったのか、2章ではドルモンにも少しでも独自の究極体を持ってほしいということで追加されたのが厳刀ノ型である。しかし、元のガイオウモンが二刀流で刀を弓矢にも使うようなオールラウンダーだったのに比べると、厳刀ノ型は一刀流なのでどうにも見た目が格落ちしてしまうし、ガイオウモンの枠には留まっているので違和感の解消にはならなかった。今後ガイオウモンのパワーアップ的存在として生きていくことが出来るだろうか…?
- ラブリーエンジェモン
プロットモン(テイルモン)の究極体ってホーリードラモンとオファニモンがいるけど、ホーリードラモンは四大竜だし、オファニモンも三大天使だし、ミチのパートナーはどうなるの?被りも辞さないの?(実際、ミチのプロットモンはエンジェウーモンに進化するが、デジタルワールドでレディーデビモンと腐れ縁のエンジェウーモンは別個体)と思っていたら、新規究極体が登場した。「エンジェモン」とついてはいるが天使系ではなく、近接戦闘で相手をボコボコにするから「天使」という、マリンエンジェモンよりもエンジェモンからは離れている。こういう使い方はミチのキャラにも合っているし、それでいてエンジェウーモンからの連続性もあり上手にハマったのではないだろうか。
- ヘヴィーレオモン
エレキモン→レオモン→グラップレオモンと来て進化した新規究極体。レオモン族もいつの間にか大派閥だが、サーベルもバンチョーも慧斗のキャラには馴染まないからだろうか。グラップレオモンの機械要素も上手く昇華しているが、ヘヴィーになるとマシーン型なので無心に進化系譜作るならローダーレオモンからの連続性の方がしっくり来るかも。ストーリーでは初戦がタイタモンなので、いきなりライバル究極体マッチアップが実現した。
- ミタマモン
クダモンの究極体はスレイプモンだけど、スレイプモンはロイヤルナイツでまた組織所属と被ってるじゃないか(かつての『デジモンセイバーズ』では序盤からいるクダモンは実はナイツからの監視役だったという設定で被りを生かしていた)ということで、新しい究極体が登場した。…最初から心配されていたことだが、リアライズでのメインデジモンって進化していったら既存の組織所属系にならないか?という疑問があり、実際ドルモン→ガイオウモンはそういった不審が最大限悪い方向に出たものだったが…。クダモン系譜は管狐→鎌鼬→麒麟と来て最後がスレイプニールと急にヨーロッパ神話に行ってしまうので、ミタマモンの和風で貫徹という発想は悪くないどころか、正しい意味で差別化になっていて評価はまあまあ(デジモンの場合蛇タイプの神獣もこれまでそこそこいるからなあ)。
- ノーブルパンプモン
ええ…?そもそもさ、のぞみのパンプモンに究極体必要でした?千尋さんのロップモンも別に新しい究極体もらってないわけだし、パンプモンの進化先に特段の需要があったとも思えない。加えて、デザインも個人的にそこまで良くないというか、体が紳士なところからのアンバランスさは狙いなのだろうが、正直うーん(個人の感想です)。同時期にペンデュラムZなどの展開で新規植物デジモンが充実したこともあって今後生きていくのは厳しいんじゃないだろうか。
リアライズでは敵がスパイラルで、スパイラルはデジモンを模した存在―ポリゴン的には既存のもののテクスチャを弄っただけなのでここでは割愛する。
B メディア展開と連動して登場したデジモン
- アグモン(勇気の絆)
- ガブモン(友情の絆)
『デジモンアドベンチャーLAST EVOLUTION絆』にて登場したアグモン・ガブモンの新規究極体。リアライズでも映画公開と連動して実装された。筆者は作品を未見なのでよくわからないが、リアライズでウォーグレイモンやメタルガルルモンから進化する仕様になってるのは合ってるんですかね?
- アルゴモン
- アルゴモン究極体
リアライズと同時期には『デジモンアドベンチャー:』も放送されていたが、『:』はアドベンチャーのリブート的作品だったこともあり、『:』との連動はそこまでなかったが、アルゴモンの追加は『:』での登場によるものだろう。もっとも『:』で増えたアルゴモンの成熟期以下の系譜はリアライズではスルーされてしまった(実際成熟期以下の登場が必要だったかというと微妙だろう)。しかし、デジモンセイバーズの映画で敵として出たデジモンがこんな局面、ポジションで追加されるとは…。
他にはメタルグレイモンに新技が追加されたのも『:』との連動要素。また、コンシューマーゲームも新しく出たものは1作もなく(ええ…)、当然連動もなかった。
令和3年(2021)の四月馬鹿ネタで『メダロットS』とコラボしたもの。メタビーやロクショウは成長期で合ってるのか?オメダモンは歴としたデジモンなので今後もどこかで使えるのかもしれない。
C リアライズでポリゴンが作られた既存デジモン
リアライズ発の既存デジモン新規ポリゴンとしては最古参。この2体についてはこのブログでも色々書いた上後述するので省略。結局リアライズでもメイクーモンの進化前であるメイクーモンカラープロットモンは実装されず、存在意義を問われ続けている。
- エレキモン(青)
- タスクモン
- チンロンモン
チンロンモン系譜として新規実装(完全体のトリケラモンは既存)。リアライズでの四聖獣の進化系譜は『デジモンアドベンチャーtri.』での構想を使ったもので、『tri.』の数少ない遺産ということになる。エレキモンは単なる色変えだが、タスクモンは完全新規。ただ、ポリゴンはのっぺりとしていてあまり公式絵の雰囲気を落とし込めてはいない。
ちなみに四聖獣とファンロンモンはかつての『デジモンバトルターミナル02』や『超デジカ大戦』に参戦しておりポリゴンは存在していたが、流石にその頃から10年近く経ってからのサイスル規格での登場となったので、実は使いまわしているのかもしれないが、完全新規ポリゴンと見なすことにする。
- ムーチョモン
- アカトリモン
- スーツェーモン
スーツェーモン系譜(完全体のヒポグリフォモンはハカメモ参戦済)。ムーチョモンは原種のペンモン、アカトリモンもコカトリモンを差し置いての参戦となった。どうでもいいですが、赤い鳥デジモンってバードラモン外しちゃうと意外と少ないんですね。
- ディノヒューモン
- オロチモン
- シェンウーモン
シェンウーモン系譜として登場(成長期のカメモンはだいぶ昔からいる)。ディノヒューモンもオロチモンも埋もれるには惜しいデジモンなのでこういう機会にポリゴンが作られていいですね。特にディノヒューモンはDFQストーリーでいい役ももらっていて満足度が高い。
- ベアモン
- グリズモン
- ローダーレオモン
- バイフーモン
バイフーモン系譜として参戦。ローダーレオモンは個人的に新規参戦一押しだったがよもやこんなところで出られようとは。ちなみに『デジモンワールド3』ではベア→グリズ→グラップレオ→マルスなのでマルスモン系譜も本人以外揃ったことになる。
- ファンロンモン
ちなみにファンロンモン系譜は全員既存デジモンで構成されていて、バクモンから進化するということもなかった。
- オポッサモン
- クアトルモン
- サジタリモン
- シープモン
- スワンモン
- ビットモン
- ブルモン
- プレイリモン
- ボアモン
- ライドラモン
- ランクスモン
十二神将デジモン参戦とともにアーマー体登場が見え始めたが、本当に十二神将の進化前は全部揃えてきた。これまでフレイドラモン、マグナモン、ラピッドモン(+ゴールドブイドラモン)くらいしかいなかったのでリアライズによって急にアーマー体が充実したことになる。今後この資産がアーマー体として生かされることはあるのだろうか。
サジタリモンだけDFQストーリーで結構カッコいい出番をもらっていてちょっとズルいけどカッコいいからセーフです。
- シュリモン
- サブマリモン
DFQストーリーにて登場したが、育成実装はないまま終わった。アクィラモンとディグモンじゃないのは温存していたからだろうか?ここらへんもう少し予定していた展開があったのかもしれない。
- クンビラモン
- ヴァジラモン
- ミヒラモン
- マジラモン
- サンティラモン
- インダラモン
- パジラモン
- マクラモン
- シンドゥーラモン
- チャツラモン
- ヴィカラーラモン
アンティラモンのみロップモン系譜でケルビモンの進化前ということもあり出番も多かったが、ここへ来て残りの十二神将も全員集結した。揃ったのは2章からだが、ヴィカラーラモンのみ平成31年(2019)の新年イベントで干支ということもあり登場が先行している。その時は、おいおいこのペースだと十二神将が揃うには12年かかるな(笑)と思っていたのに、遠くまで来たものである。
- バンチョーリリモン
- バンチョースティングモン
- バンチョーゴーレモン
まさかのバンチョー全員集合!…してねーじゃねーか!バンチョーリリモンのキャラ付けは古式ゆかしいスケバンで良かった。もう少し展開が続いていればバンチョーマメモンも追加されてバンチョー全員で何かやる試みもあったのかもしれない。
- サクヤモン巫女モード
当時カードで登場して以来地味に人気のある巫女モードがまさかの実装。
- オメカモン
DFQにて初登場しその後育成枠にもなった。オメカモン自体X抗体展開で唐突に登場して以来何もなかったが、まさか令和になってからキャラ付けされて登場するとはねえ。性格も悪意があるわけではないが、騎士気取りで波乱を巻き起こすタイプ。エンジェウーモンやレディーデビモンのケーキを食べてしまうも、犯人の正体が定まらない中「オメガモンに似ていた」という情報で怒っていた天使2人が「いや…まあいいかな」となりだすのも風貌を生かした話運びで楽しかった。
- ワルシードラモン
特にアナウンスもなくリヴァイアモンの進化系譜の1体として参戦。ワルシードラモンは人気もあるし、リヴァイアモンの進化前として最適なのでうれしいチョイスだが、だからこそもう少しアピールしても良かったのではなかろうか。
- アルケニモン
- マミーモン
DFQストーリーにて登場。ポリゴンも出来ていたが育成枠にはならなかったので、必殺技モーション等もない。中途半端なホークモン・アルマジモンのアーマー体といい、02関連はもうちょっと何かイベントを用意していた気もする。
以上をまとめていくと、リアライズでの新規ポリゴンの内訳は次のようになる、
A | B | C | 計 | |
幼年期Ⅰ・Ⅱ | 2 | 0 | 0 | 2 |
成長期 | 1 | 0 | 3 | 4 |
成熟期 | 1 | 0 | 5 | 6 |
完全体 | 1 | 1 | 17 | 19 |
究極体 | 7 | 2 | 9 | 18 |
超究極体 | 0 | 2 | 1 | 3 |
アーマー体 | 0 | 0 | 13 | 13 |
ハイブリッド体 | 0 | 0 | 0 | 0 |
その他 | 0 | 2 | 0 | 2 |
計 | 12 | 7 | 48 | 67 |
※「その他」はメタビーとロクショウ。どう考えても成長期と同じ枠組みには入れられないので。
デジモンリンクスが顔役のヴォルケニックドラモン系譜とメタリックドラモン系譜以外は究極体・超究極体ばかり新規ポリゴンを作っていた(何と完全体以下の新規はキメラモンのみ)のに比べると、究極体が多数なのはリアライズも変わらないものの、他の世代でも新規ポリゴンが結構作られていることがわかる。もちろん完全体に多いのは十二神将11体が一気に増えた恩恵もあるが、それでもアルケニモン・マミーモンやワルシードラモン、オロチモン、ローダーレオモンなど細かい仕事をできる面子を追加できているのは見逃せない。
新規ゲームとして必要なA枠、メディア展開との連動なB枠よりも既存ながらポリゴンがなかったデジモンのC枠が充実しているのも、リアライズの特徴かつ貢献と言えるだろう。ちなみにリンクスの遺産となったポリゴンはカラバリでしかない変異種を除けば、ドゥフトモンX以外は全てリアライズに参戦できた。…やっぱ1体だけいないバンチョーマメモンや育成に来られなかった02組もだけど、現場で続ける意志自体はあったんじゃあ?
一方でドゥフトモンXの不在もそうだが、Xデジモン・ハイブリッド体・オリンポス12神がリアライズでは全く増えなかったのは課題として残った。もんちゃんのジエスモンはジエスモンGXになるんじゃないかと予想したこともあったが、結果としては外れた。こうした部分はなかなかコンテンツ自体に余裕がないと手を付けていけないとは思うが、リアライズでアーマー体や十二神将が増えたのだから、今後手が回されていくことを期待はしたい。
というところで何だが、デジモンのソシャゲの流れは今回のリアライズの終了で一時断絶ということになる(海外では『デジモン新世紀』が配信されているが日本では未配信)。『デジモンサヴァイブ』の発売がようやく6月に決まったのはめでたいが、『サヴァイブ』でのデジモンは2Dで描写されるため、良くも悪くも参戦デジモンチョイスに既存のポリゴンの有無は関係ないし、『サヴァイブ』はポリゴン面では遺産を残さないだろう。『サヴァイブ』がこれだけ発売に長くかかった以上、コンシューマーゲームでの、ポリゴンを用いた次のデジモン新作に至っては発売自体が楽観できない。ソシャゲはサービス終了してしまったらおしまいなので、リンクスやリアライズで作られたポリゴンも是非ともコンシューマーゲームで有用に使っていただきたいところでもあるが…、どうなっていくんでしょうか。
ちなみに私が以前ポリゴン化希望で挙げたデジモンの中では、アカトリモン(コカトリモン)、タスクモン、オロチモン、ローダーレオモンが新規ポリゴン化された。うーん、初代・ペンデュラム全デジモン制覇にはまだまだ程遠いですね~。
おまけ ラジエルモン雑論④~その後のラジエルモン
monsterspace.hateblo.jp
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ストーリー中のラジエルモンは時系列的にはアーマゲモンを倒し、主人公たちと「また会いましょう」と別れたのが最後で、再登場が期待される別れ方だったが、なかなか再登場しなかった。リアライズ2章終結が見えてきた段階でようやく再登場!もう詳述する余裕はないが一応触れておくことにする。
「小鬼と相棒の風雲録」はこれまでのDFQストーリーで必ずしも根は悪くない悪役コンビ・ゴブリモンとレアモンをメインに据えたもので、彼らが世界を救う(?)ため十闘士の力を得ようとする話が展開された。これは2章ストーリーとも連動していて、その中での裏幕が描かれた形となる。世界の危機に出て来なかったナイツやこれまでDFQで見てきたあのデジモンたちは何をしていたのかを示すものになっていてレベルが高い。
ルーチェモンのたくらみに感づいたラジエルモンはデュナスモンとロードナイトモンに接触し協力を依頼する。
さらにラジエルモンは光と闇を一つにしてゲートを開くべくエンジェウーモンとレディーデビモンにも力を貸してくれるよう頼む。
一方、ゴブリモンとレアモンはジジモンから十闘士の伝説を聞くと、世界の危機を止めるべく十闘士の力を求める。辿り着いた先でゴブリモンたちはラジエルモンと出会い、十闘士と話すことになる。ゴブリモンたちの小市民ぶりにエンシェントグレイモンとエンシェントガルルモンは満足し、ルーチェモンを止めるため力を貸すことにする。
ルーチェモンの狙いはミレニアモンの復活にあり、デュナスモン、ロードナイトモン、マスティモンは苦戦しながらも時間を稼いでいく。エンシェントグレイモンとエンシェントガルルモンの助けを得た彼らはルーチェモンとミレニアモンの撃退に成功する。
非常に大まかな流れのみ追ったが、『デジモンフロンティア』とは異なりルーチェモンを敵として対峙するデュナス・ロードナイトコンビや、ルーチェモンを倒す切り札としての十闘士の存在を基調にしつつ、異変を察知するラジエルモン、助っ人としてのマスティモンなどが絡んでいくのは、設定面を上手に生かしつつ話を作っている。何よりもゴブリモンの言動も小悪党だったからこそのものになっていて、ここまでの行動から何が十闘士に受け入れられたのかが腑に落ちるものになっている。先述したようにここまでDFQで活躍したデジモンたちが世界を救うため集まってくるのも見逃せないポイントだ。
ラジエルモン観点からすると、長い間隔は空いたが、世界の危機を察知する二度目の活躍が描かれ、ナイツからも一目置かれていたり、有名人としての認知があるなど「大物」を演出されているのはうれしいところ。「大きな物語」の中での位置付けもはっきりしていて、満足度は高い。
ラジエルモンの出番はこれで終わりではなく、2章終盤のスパイラルガーディアンとの戦いでも助太刀している。
ストーリーに組み込まれているわけではないが、このイベントを挟むことでスパイラルガーディアンのステータスが変化する。おまけ救済措置のようなイベントだが、ラジエルモンと主人公たちとの再会を描いているし、ラジエルモンの参戦がスパイアラルガーディアンとの戦況を変えるということもあるので、結構な扱いとは言えるだろう。
そういうわけで、ラジエルモンはリアライズ終了間際に「新たな活躍」「主人公たちとの再会」「大物感」といった期待された部分は全部回収していった。長く待たされたことで若干感覚が麻痺してるきらいもあるが、総じてラジエルモンはリアライズで参戦してくれて良かったと思う(今後の布教には全く使えないが…)。私が③「ラジエルモンの未来」で書いた期待も変わっていないし、今後もどこかで出番があることを祈っている。